23話 ページ25
『妹が鬼の兄妹?…その子達は…』
義勇「家族もその二人以外は殺されていた。鬼の姿はなかった」
『そっか…辛いだろうね…。妹は兄を襲わなかったの?重度の飢餓状態だろうに』
義勇「俺が見つけた時は襲われていたが、俺が妹を拘束して首を斬ろうとしたら兄の方が邪魔をしてきた。だから気絶させた。そうしたら妹が俺から兄を守るような動作をしたんだ」
『本当に!?それは…』
心底驚いた。そんな子がいるなんて…。
鬼になるとその人の生前の記憶は刻一刻と消えていくようになっている。全く別の生き物に成り代わるはずなのだ。それなのにその妹は鬼でありながら捕食対象の兄を守った。それはこれまでの経験上、奇跡とは言い難い。
どこか将来性を感じる。その兄妹達に。
朝日がのぼった村を二人そろって歩いていく。義勇がはっきり言わないってことは恐らく
『…斬ってないんでしょ?』
義勇「……ああ」
横を歩く義勇の顔をちらりと見上げると複雑な顔をしている。
…まぁ、柱なのに鬼を逃がしたってなったらそりゃあ複雑な気持ちになるわな。
『…で?面白い兄妹がいたのはわかった。私もその子達に何か感じるものはあるわ。信じていいと思う。結局のところ義勇はその二人をどうしたわけ?』
私の予想ね、義勇は口下手すぎて勝手に展開進めてしまう悪い癖があるから多分
鱗滝さんのところにでも行くように言ったんじゃないかと思う。
義勇「…狭霧山に」
『やっぱり』
ほら合ってた。義勇はやることが早いんだか余計なんだか…よくわからない。
『…いいんじゃない?私も賛成。ただ…手紙は送っといた方がいいよ』
義勇「ああ、そのつもりだ」
『ふふ、その子達が生き残って«突破»したら見てみたいな。特に妹の方を』
義勇「……」
『継子にする時は言ってよ』
義勇「わかってる」
絶対わかってない。これだけは断言できる。絶対にわかってない、この男は。
朝日が背中を照らしている。仕事が終わることを示している。
そろそろ義勇と別れないといけない。中々会えないから名残惜しい。一番話せる相手だから。
義勇「…A。無理するなよ」
義勇は優しいから。この優しさが嬉しいんだ。
『あえて言わせてもらうけど…«わかってる»』
また半年後、無事に会おう。
義勇の言う兄妹にも会ってみたいと思う。
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らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時