17話 ページ19
パキンッとクルミを割ってあげればもぞもぞと食べるリス達。
鴉「クルミ、アルジャネェカ!!」
…何故か何気に黒い奴も一緒になって食ってやがる。本当に図々しいと思う。
『お前は食うな。前世のわからない人間もどきが、可愛らしいリス達のおやつを奪うんじゃない。見ていてお前にリスの隣は似合わないと思うよ。こう見ると余計ふてぶてしく、デカく見える。やせた方がいいんじゃないか?』
さっきから、というか昔から食べ物に執着する自分の鴉に毒舌をかますA。わざと顎を突き出して上から見下すようにすれば相手は簡単に釣れる。
鴉「ナンダトォォォ!?」
『そりゃあ太るのも当たり前か。体に見合わない分だけ食ったと思ったら全然飛ばずに人の肩にとまって休んでるんだもんな。このリス達は働いてるんだぞ、恥ずかしいと思わないのか?ああ、そうか、頭は鴉だからそういう概念を思うおつむがないんだな。可哀想に』
正直、我ながら頭は良く回る方だと思う。自慢にはならないがAは昔から口は達者なのだ。
鴉「オツムガナイダト!?フザケルナ!!コノリスト比ベルンジャネェ!!」
鴉は甲高い声で叫びながら怒る。それでもAはフッと鼻をならして
『じゃあ自ら隣に行かない事だな。それともなんだ?もしかして自分はこのリス達より勝っていると思ってたのか?そういうのを世間では自意識過剰と言うんだが…まさかこの15年間でお前がそうだとは思わなかったよ』
鴉「思ッテネェ!!」
『おお、そうか。ならお前はリス達より劣ってると思っていたってわけか。いつもの口調と違って精神面は随分弱いんだな。口じゃ恥ずかしくて言えないから行動で示して私に「そんなことないよ」って慰めてもらいたかったのか。大丈夫、「そんなことないよ」』
鴉「キイィィ!!腹立ツ!!」
とうとう鴉は空へ飛んで行ってしまった。だがAはその様子を笑いながら見ていた。
鴉「帰ッテキテヤンナイカラナ!!」
口ではそう言っているが後々ちゃんと帰ってくる。少々拗ねてはいるようだが帰って来た時に棟にある木の実の残りをやればまたすぐ機嫌を戻すだろう。
『ごめんね、騒いでしまって。引き続きよろしくね』
Aはリス達に向き直ると、巻き込んでしまった謝罪と残りのクルミを与えた。
リスは気にしないで下さい、と首を振る。
Aはまた迷路を進み始めた。
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らぴすらずり★(プロフ) - 銀狐的なさん» ありがとうございますうううっ!!!読んで下さり、それに加えてコメントも…泣きます(ToT)最近更新出来ていなくて申し訳ないです…どうぞこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月14日 7時) (レス) id: b227a58786 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - 面白い!イラスト欲しいです。 (2019年8月11日 6時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - チデンさん» ありがとうございます!!!泣そのコメントが心の支えになります泣これからながくなりそうですがよろしくお願いいたします!!!! (2019年2月6日 20時) (レス) id: 9f6d511478 (このIDを非表示/違反報告)
チデン - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 7411494241 (このIDを非表示/違反報告)
らぴすらずり★(プロフ) - (^^)さん» あああ、ありがとうございます!!泣なかなかコメントがこなくて実は困ってました(笑)本当にご協力ありがとうございます…!面白いだなんて…!最高の誉め言葉です!今のところあんまりキャラが出てなくてすみません(´;ω;`)これから更新頑張っていきますね!(^^♪ (2019年1月26日 16時) (レス) id: dde58539fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らぴすらずり★ | 作成日時:2018年12月29日 0時