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Aside

あれ?

そらるさんが固まってる。

ろんも。

それに、真冬は慌てている。



『ろん…?そらるさん…?ま、真冬…?』

どうやらこの声が聞こえていたのはそらるさんだけだったらしい。

そらるさんは僕の方を見ると、目があった瞬間にまた目を逸らした。


『?』

「あ、ゆき……ちょっと来てくれませんか?」

『?別に…いいけど…ろん、ちょっと待っててね〜』

そう言う僕の言葉も多分、届いていない。


本当におかしい。
真冬の手が、小刻みに揺れている。

元々白いそらるさんの肌は、青白く見えるほど。
ろんは、見るからに驚いている。


『ね、ねぇ、真冬、大丈夫…?』

振り返った真冬の顔は真っ青だった。

「いや、僕は大丈夫です…それより彼方さんとろん、さん…」

『置いて来てるけど大丈夫なの?』

「多分、僕たちがいたら逆に…」

そこで目を伏せた真冬。

それでやっと僕は、ろんは真冬にではなく、
そらるさんに関わる何かを抱えているとだと知ったのだ。





そらるside


まふまふはAちゃんと共にどこかに消えた。
あいつなりに気をきかせたらしいが、俺はそれ以上にテンパっていた。

だってさ、まさかろんにこんなタイミングで会えるなんて。

俺は、ろんとは何度もしゃべったことは会った。
カメラをつけていた時もあったから、顔も知っていた。
でも、会ったことはなかった。

それが、こんな、二年ぶりくらいに話すのが直接とか…

まふまふは気づいていたのだろう。
だから、こんなにもこの店に入るのを嫌がっていたんだ。


「あっと…ろん、久しぶり。って言うか、初めて、だね。じゃあはじめまして、かな。」

「はじめまして…ではないんじゃない?まあ久しぶり、だね。」

「二年ぶりかな?」

「いや、二年と半年。そらるさんが元気そうで良かった。」

「ろんは?ちゃんと元気にしてる?」

「うん、大丈夫だよ。karが良くしてくれるし。」

「そっか。」

意外と話が弾み、その懐かしさにホッとしてる自分がいた。

「でもさ。」

ろんの口ぶりの重さに、息を飲んだ。





「あの様子だと、そらるさん、話してないでしょ。」



暫く考えてからまた口を開けた。


「まあね。」

「ダメだよ。多分、karはまだどこかに溝を感じてるから。自分を責めている。







特に…お姉さんとのことに。」


俺が苦渋の決断をした瞬間だった。

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レイ - 今日も面白すぎですww 次回も楽しみにしてます! (2018年10月15日 18時) (レス) id: ad7c8b27a1 (このIDを非表示/違反報告)
しー - 面白いです!!! まふまふさんとろんさんの関係気になります... (2018年9月30日 21時) (レス) id: 46c6f8cd6c (このIDを非表示/違反報告)
らぴらず(プロフ) - シリアルスカーレットさん» コメントありがとうございます!「とても」をつけてくださった辺りものすごく心に来てます…! (2018年9月20日 19時) (レス) id: e59d02bf0b (このIDを非表示/違反報告)
らぴらず(プロフ) - アルメさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけていただけて嬉しいです! (2018年9月20日 19時) (レス) id: e59d02bf0b (このIDを非表示/違反報告)
らぴらず(プロフ) - さきさん» コメントありがとうございます!更新がんばります! (2018年9月20日 19時) (レス) id: e59d02bf0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らぴらず | 作成日時:2018年9月8日 19時

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