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真冬side
なんか、まあ、とりあえずそらるさんと遊びにきた。
引きこもりの僕たちが外に出るなんて珍しいけど。ましてや意味もなく。
「なんか外に行きたい」と思って、ちょうど同じようなことを考えていたそらるさんと共に、電車で30分ほどの所にあるデパートに来た。まあ、近くにも色々あるけど、たまには遠くに行きたい、って思ってね。
「ねぇ、まふ。昼どうする?」
「ああ…何でもいいですよ。」
「じゃあさ、行きたいところがあるんだけど、いい?」
「なんのお店ですか?もしかして…パンケーキとか!?」
「…?(顔を赤くする)」
「え!まさか!あ、成人男性一人で行くのはキツいから僕と一緒に行こうっていう魂胆ですね?わかりましたよ!」
「あ、まふ家かえったらMixよろしくな。」
「いやいや!いや、やっぱ何でもないです!さ、行きましょ!」
そしたら、あろうことか。
偶然、そこに遊びに来ていたゆきがいた。
しかも、一人じゃなかった。
見知らぬ女の人と一緒だった。
「彼方さん、別のところにしませんか?」
「ん?なんで?」
まあ、やっぱり店員さんには嫌な顔をされたよ。
人数伝えたばっかりだしね。
『!』
ゆきがこちらに気がついた。
目をらんらんと輝かせてる。
ありがとう、ゆき。僕にあえて嬉しいだなんて。
いや、今はそれどころじゃない。
多分、あの女の人は、ろんさんだ。
最近ゆきが仲良くしてるし。
僕は知ってる。あのチュルリダ・チュルリダ・ダッダッダ!、ろんさん入ってる。
そらるさんは断っていた。なんとなくわかってたんじゃないか。そうじゃなければ、ゆきが言ったのか。
それに、僕もろんさんが入っているなら。
そらるさんを悲しませたくない。
だからMixの依頼も断った。
ごめんね、ほんとはものすごく嬉しかった。
ゆきが僕を頼ってくれてるんだなって思って。
ゆきは、知らない。
昔、あったことを。
君がいない七年間に、何があったのか。
その時期に何があったのか。
僕でもよくわからないのに。
「ん?まふ、どうかした?」
僕の様子に気がついたそらるさんが声をかけてくれる。
で、僕の目の先を見る。
「お、ゆきじゃん。すみません、あの人たち、知り合いなので近くにしてもらっても…?」
そらるさん。やめておこうよ。
僕はどんどん慌てるばかりだ。
「彼方さん、止めておきましょうよ…」
「え〜、いいじゃん。」
それで僕らは会ったわけである。
隣ではそらるさんが驚いていた。
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レイ - 今日も面白すぎですww 次回も楽しみにしてます! (2018年10月15日 18時) (レス) id: ad7c8b27a1 (このIDを非表示/違反報告)
しー - 面白いです!!! まふまふさんとろんさんの関係気になります... (2018年9月30日 21時) (レス) id: 46c6f8cd6c (このIDを非表示/違反報告)
らぴらず(プロフ) - シリアルスカーレットさん» コメントありがとうございます!「とても」をつけてくださった辺りものすごく心に来てます…! (2018年9月20日 19時) (レス) id: e59d02bf0b (このIDを非表示/違反報告)
らぴらず(プロフ) - アルメさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけていただけて嬉しいです! (2018年9月20日 19時) (レス) id: e59d02bf0b (このIDを非表示/違反報告)
らぴらず(プロフ) - さきさん» コメントありがとうございます!更新がんばります! (2018年9月20日 19時) (レス) id: e59d02bf0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴらず | 作成日時:2018年9月8日 19時