Goss!p

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身の上話をさせられたお陰かもう一つ大事なことを思い出した。

それは子どもの"先生"がどんな人間かってこと

担任次第では記事が出たとしても、一度クラスで起きてしまったいじめが簡単に解決するとも限らない。



F「で、入んないの？」

Ki「打ったことあんの？あるなら入るけど。」



パチ屋の前で張り込みながら「全然ない」って素直に答える藤ヶ谷。クスッと笑うと拳骨を落とされてしまった。
だって突然いま何してる？って電話してきてパチ屋だって言ったら心配だから行く〜なんて言うんだもん。

結局何してるって店の前に突っ立って待ってるだけ
まぁ今日は仕事じゃないし、別にいいんだけどさ…



F「だって北山が目つき悪そうなおじさん達の中入ってくんでしょ？心配じゃん。」



そうやって時々紳士みたいな優しさ出してくんの、女の子だけにすればいいのに



Ki「取って食われたりしねーって。」

F「言い方。…でも怖いおじさんだけじゃなくて、学校の先生もこういうトコ来るんだね。」

Ki「ん、まぁ。俺は意外ってほどでもないけど。」



子どもを教え導く立場から昔は"聖職者"なんて言われていた時代もあった教師。彼らが自分の稼ぎとはいえもとは税金だった金でパチンコをする…それを良しとしない人もいるのかもしれない。



Ki「有給なんてほぼ消化できない。休日も部活だ行事だって駆り出されるから、遠出もできないしね。旅行やショッピングじゃなくて趣味がパチンコかネット競馬なんて教師も珍しくないのよ。」



週末に買い物に出ても生徒や保護者にバッタリ。プライベートだろうが「先生」って声掛けられるしね。一人になりたいときに近所のパチ屋なんて持って来いだろう



F「北山の"お家の人"もそうだったから？」



…え？



F「言ってたじゃん。先生だって。」



突っ込まれた言葉に、体が冷たくなるのを感じた。俺、いつからこんなに、藤ヶ谷に自分のことペラペラ教えてたんだっけ



F「誰か出て来た。あの人は？」

Ki「え？あぁ……あ！うん。」



家族へのお土産だろうか。景品のおもちゃや、ポッキーにポテチの袋なんかを抱えたまま
電話しながら、慌てて駐車場に走っていく。



「えぇ、なるほど。すぐ向かいます。いえ校長先生、私から〇〇〇君のお家に折り返し電話します。」



F「ちょっとした見かけじゃ分からないことって沢山あるんだね、北山。……北山？」



そう。母もずっと地元に縛られて生きる、
あんな風に真面目な教師だった。

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