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背中にキスを落としただけで跳ねる身体。彼の反応一つひとつに自分の中の欲を自覚する。
Ki「…あ、ぁ。っあ、ふじがや、まって。」
F「またない。」
ちゃんと言質はとったからね?
身動ぎながら、顔を見てシたいと言われて仕方なく仰向けに寝かせる。可愛いカタチをした耳朶が現れ、指でそっと触れた。
Ki「えっ…ぁ、なに?」
F「ん?空港で見た時からずっと、なんでしてないのかなぁって。落としたくなくてあっちに置いて来たの?」
本音を聞いてみたくてかぷりと
Ki「ッあ、ぅ、んん…!それっやめろって、」
F「向こうで会ったときは
Ki「っ、じゃなくて!
彼の言いたいことは分かる。あの時勘付いていた記者達相手にプライベートでお揃いのものを身に付けていたらもう誤魔化せない。
北山が右耳のイヤリングに手を伸ばした。こんなに申し訳無さそうな、切なそうな顔を見たのはいつ以来だろうか。肌に触れる指先の冷たさに目を細めた。
F「さっき。タマと話してるの待ってる間とか、きたやま追いかけてたときも…
Ki「ん?」
F「別れたときより俺、余裕なかった。」
あの頃よりもっと、俺は我慢ができなくなくなってる。
Ki「ふじ…がや?」
F「他の誰かに取られたら、とか突然目の前から居なくなったら俺はきっと成功したいまの
そんなこと考えるくらいに俺は北山のことが、———
Ki「ばか。辞めんなって。」
F「ふは。怒ると思った。」
こんどは口を塞ぐように唇を落とす。
Ki「…ぅ、…ん、ンン、はっ…」
啄むようなキスを繰り返し、彼の余裕を奪いながら続きを紡ぐ。
F「きたやま。…愛してる、よ。いっそのこと、皆なに言いふらしちゃいたいくらい。」
Ki「…っ、ん、ふじっ、…ちょ、待っ、」
じわっと滲んだ涙を見て少しだけ力を弱めた。
F「うん。待つよ、北山のためなら何年でも。」
Ki「っ!…ゃ、その。えっと、……」
笑いかければ、困ったように眉を寄せる。何かに迷い考えているときのこの顔も
Ki「…もう、待たなくて、いいです。」
F「ふふ、かわい。」
ぜんぶ、全部 俺にとっては特別。だから
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チカ(プロフ) - kkeeさん» ありがとうございます!こちらにも感想をくださり、ドラマNG風も面白いと言って頂けて嬉しいです。自分のペースで…という温かいkkeeさんのお言葉を執筆の励みに頑張りますね(*´ω`*) (2017年3月23日 9時) (レス) id: f2bec80607 (このIDを非表示/違反報告)
kkee(プロフ) - チカさん、完結おめでとうございます。どちらもそれぞれに楽しく面白かったです。こちらはドラマ撮影っぽく書かれたりして新しいなぁと感じました。新作も楽しみにしてます。ご自身のペースでのびのび書いてくださいね。 (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0990e7aceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チカ | 作成日時:2017年3月12日 21時