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藤ヶ谷を
彼の夢を守りたかった。
どんなに努力したって飛び立てるとも限らない世界で、非情な過去とか、現実で足を引っ張ろうとする人間とか
そんなものに邪魔されてほしくなかったから。
でもそれはただ俺のエゴで…彼が上を望んでいたかどうかは本人にしか分からない。
--「…付き合ってないですから。」--
後悔は無いけれど
自分で否定しておいて嫉妬するなんて矛盾が過ぎる
そう思ったら居ても立っても居られなくて、気付けば藤ヶ谷を残して来てしまった。
拠点はフランスに移してしまったし、硝子張りのショップはその時に畳み、粉々にしてしまった。
戻るところなんてないのに、
どうして———。
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F「北山、待って。」
Ki「は?っえ、」
F「も、…ちょっと…飲み過ぎたのに置いてくとか、酷くない?!」
こんなに焦ったのいつ以来だろう
なんて
子どものように笑いながらも、藤ヶ谷の瞳は確かに熱を持っている。藤ヶ谷と楽しげに話し込んでいた女の子に向けられたものだと思っていたその熱は…未だ冷めないまま、俺の方に向けられている。
Ki「おまっ、…え?藤ヶ谷が送ってくの明らかにあの女の子って空気だったじゃん。」
F「なんのこと?それより北山だって結構飲んでたし、どこに帰るにしても心配だから送って行きたい。」
もしかして、ひどい勘違いをしたんじゃ…
F「あの子と話してるの見て俺に嫉妬したの?それって北山はまだ俺のこと好きなんじゃないの。」
Ki「べ、べつに。何とも思ってないなんて言ってないっていうか、……っ、何言ってんの俺…」
酔う前から絡まっていた思考は酒に酔ったせいか余計にから回ってしまった。だけど今なら、どんな本音も言ってしまえる気がする。
お前のことを
Ki「藤ヶ谷、俺ね———、」
今も好きでごめん 諦められなくてごめんって
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チカ(プロフ) - kkeeさん» ありがとうございます!こちらにも感想をくださり、ドラマNG風も面白いと言って頂けて嬉しいです。自分のペースで…という温かいkkeeさんのお言葉を執筆の励みに頑張りますね(*´ω`*) (2017年3月23日 9時) (レス) id: f2bec80607 (このIDを非表示/違反報告)
kkee(プロフ) - チカさん、完結おめでとうございます。どちらもそれぞれに楽しく面白かったです。こちらはドラマ撮影っぽく書かれたりして新しいなぁと感じました。新作も楽しみにしてます。ご自身のペースでのびのび書いてくださいね。 (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0990e7aceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チカ | 作成日時:2017年3月12日 21時