さくらんぼのかくれんぼ

trick or treat…? ページ28

読んでくださる皆様に、感謝を込めて。





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Ki「もうやだ…身体中が甘い」



バレンタインといいクリスマスといい、どうしてこうイベントにはお菓子が絡んでくるのか。そう愚痴をこぼす恋人があまりにも可哀想だった。



F「ハロウィンも嫌いなんだね」

Ki「嫌いでしかない」



年中行事とか記念日に関心がないというひろ。尚のことイベント=苦痛の日、という認識が強そうだ。



Ki「うがー甘いの嫌いになりそ…」



Maggioのドルチェが爆発的な人気を呼んでいる。

小さな村の小さな店にもかかわらずここの焼き菓子が繊細でおいしいとネットの口コミで広がっているのだそうだ。



Ki「んだよカボチャめヘラヘラ笑いやがって」

F「こーら。ラッピング手伝ってあげるから」



渉が店に飾っているジャック・オー・ランタンをぽかぽか殴る彼をなだめる。ハロウィン前日。一日中パンプキンタルトを焼いていたせいだろうか。

軽く千はあるな…



F「これは徹夜かなー」

Ki「平日なのにごめん…」

F「ん？日曜じゃなくてもひろに会えて嬉しいよ？」



そう言ってもぶるぶると首を横に振っている。いつもなら甘ーい言葉に(どんなに甘くても)嬉しそうにするのに。



Ki「明日も朝部活あるって裕太から聞いたもん…」



なんて俺を呼んだのをずっと後悔してる。イベント前なのに、恋人の前でそんな悲しそうな顔しないで欲しいな



F「ねぇひろ、trick or treat…?」







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Ki「ﾝｯ…ふ…たいっ、…ぁっ…」

F「ん…ちゅ、え？……何？」



ちゅぱｯ…

大きなリップ音とともに唇を離す。真っ赤になったひろがガタガタと椅子を揺らした。



Ki「これやぁだ…」

F「イタズラの方がいいって言ったのは、ひろだよ？」



ラッピング用のリボンで縛られた手首をする、と撫でると満更でもないのかあっ…と小さく声を漏らした。



F「取っちゃっていいの？」

Ki「ぅ…んんぅ…///」



イベント嫌いだからルールも知らないのかな

目の前には沢山のタルト
その１つをくれるだけでいいのに…



F「今夜は甘いのはナシだよ？」



春⭐trick or treat…?
(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ？)

trick and treat !!→←＊･.｡

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