ヲタクがリアルに転生したよ【ツイステ】 (ページ15)

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「ぬおーここがメインストリートですか！金かかってそう！金ーーーーーッ！」

古びた雑巾とポリバケツ、柄物のエプロンを装着し、頭には三角巾顔にはマスク。完全防備である。イカした格好をしたAは、メインストリートの中心で金を叫んだ。"本日のお仕事"とはメインストリートの清掃のことなのだ。

「ふわぁ、スゲーんだゾ。この石像は誰だ？7つあるけど、なんかみんなコワイ顔。このおばちゃんなんか、特に偉そうなんだゾ。」

正気を取り戻したグリムのセリフは、無知な感じが少女マンガのそれと同様の香りであった。この香りに引き寄せられてイケメンはやってくるのだ、とAは四歳の誕生日の時からずっと信じている。

そしてそれはまさに、完膚なきまでに盛大なフラグであった。田舎から都会に出てきたそばかす娘達の背後に現れた影が、ヒロイングリムの質問に受け答える。

「ハートの女王を知らねーの？」

「ｯﾋｨ」

「ハートの女王？偉い人なのか？」

「昔、薔薇の迷宮に住んでた女王だよ。」

影の正体はまばゆいイケメンであったので、Aは瞬間的に灰となって消えた。

空中に舞う細やかな灰に若干むせつつも、輝くイケメンはなお話を続ける。

「規律を重んじる厳格な人柄で、トランプ兵の行進も薔薇の花の色も一切乱れを許さない。
マッドな奴らばっかりの国なのに誰もが彼女には絶対服従！なんでかって？規律違反は即打ち首だったから！」

「こ、こえーんだゾ！」

「クールじゃん！オレは好き。
だって、優しいだけの女王なんてみんな従わないだろ？」

「確かに。リーダーは強いほうがいいんだゾ。………A？」

私としたことが不覚…！こんなにも間近で男子を見る日が来ようとは…。つい驚きから茂みの向こうに逃げてしまったではないか。
なんだよエースお前、画面越しよりも百倍イケメンで想像の二百倍陽キャだな。