ヲタクがリアルに転生したよ【ツイステ】 (ページ14)

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翌日早朝5時。オンボロ寮は悲鳴と活気に包まれていた。

Aが深刻な老化からか朝が早いため自然にぱちくり…と目覚めた時、ソファ(ベッドに乗った瞬間底が抜けたのでしかたなしに固いそれで一夜を明かしたのである)の横には昨日のゴーストらが並んで待機していた。
彼らは上司に採用された寝起きドッキリの企画を遂行すべく静かにその時を待っていたのだがAが予定よりもずいぶんと早く、ぎょろりと白目が戻る感じで起床したので声が出ない感じで驚いていたのである。

無言で見せられた企画書は本当によく出来ており、しゅん…としょぼくれる彼らが一等哀れに思えてきたので、Aは自身が早く起きてしまった償いにとグリムへの寝起きドッキリに全面協力することにした。

具体的には、せっせかゴーストらが仕掛けを作っているのにアドバイスやヤジ(小声)を飛ばしたり、パイ投げのパイを作ろうと昨日の夕飯のふかし芋(まるきり全部ふかし芋だった)をペースト状にし器にそれらしく盛り付けて、完成したところで勿体なく思えて普通に朝食としたりした。

して冒頭の運びとなる。

「おはようございます二人とも。昨晩はよく眠れましたか？」

「ええもうぐっすりばっちり！お肌ピチピチですよ触ります？」

「今この世の有感生物を構成するすべての原子に憎悪しか沸かないんだゾ」

「異世界に飛ばされてきたというのに少々図太すぎるくらいですね、大変よろしい！」

学園長の黄色のおめめがにゅっと横に伸びて笑顔になる。Aは片頬をキリキリと痛そうに摘み、グリムは灰色の顔で虚空を見つめながら素数を数え出した。学園長は二人の顔を見て問題ないようですねとあらためて思ってから、ゴホンと低い声で咳払いして話を続ける。

「さて、そんなわけで本日のお仕事についてお話があります。…」