ヲタクがリアルに転生したよ【ツイステ】 (ページ12)

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また今度こそAから素早く距離を取って一安心つこうとしたところだったグリム。そんな不意をオンボロ寮の三体のゴーストにつかれたのでついに漏らしてしまった。

漏らしてしまったのが彼なりに恥ずかしく、とにかくまずはあのイカレ女がイカれたバケツを被っているうちにこの痕跡を消してしまわねばと思い、

「大魔法士グリム様はお化けなんか怖くないんだゾ！ふんな"～～～っ！！」

と、どさくさに紛れ蒸発させることに成功した。跡形もなく。グリムは己が誇らしかった。

「へいゴーストズ。君達とは初めて会ったけど不思議だねグフッいったなんかぶつかった今
私はずっと昔から、君達を知っているような感覚に襲われるんだ、アーッ！あんよの小指さんがご逝去なされた！そうこの胸の甘いトキメキはきっと」

「どこ見てるんだぁ？」

「こっちだこっちだ！ヒーッヒッヒ！」

「ちくしょー！出たり消えたりするんじゃねー！」

AはAで、ままならない視界の中必死でコンタクトを取ろうとするが彼女はバケツを被ったままなので下手に動けず、彼からは距離があった。動こうとしても全身を負傷するばかりであった。
声も籠っており、貧弱な肺活量ではバケツという大きな壁の前にへたり込むことしか出来ないのである。
つまりは存在すら気づかれずフル無視されていた。
これはかなりAの心に染みた。ほろ…と溢れ出したのは舐めてみるとしおからい。

ポリバケツ乙女は人知れず涙を流し、バケツを被っているのでその涙を拭うことも許されず孤独に浮かんだ。

｢おいA！オレ様炎出す時目閉じてるらしいからオマエがゴーストの居場所を教えるんだゾ！｣

しかしそれを許さないのが原作沿いであった。補正は彼女を孤独から救い出し(バケツが熱風ですっ飛んでった)、本来あるべき道へと正したのである。

「私はひとりじゃない！分かったよグリム！あなたの手となり足となり血肉となり、どんな運命も共に乗り越え時には泥水を啜り必要であれば人だって殺めるわ！」

「叫び散らかしながら今すぐ逃げたくなったんだゾ！」

彼女らは試行錯誤しながらも、熱き連携の飛び交う情熱のリズミックパートを楽しくこなした。

そしてその初対面にしては出来すぎた連携のもと、ゴーストらは屋敷の奥へと逃げ去ってしまったので、Aはグリムにハイタッチを求め割と全力で拒否られた。