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親の敷いたレールを真っ直ぐに辿って、真っ直ぐで厳格で、誰もが羨むような人生を歩んできた。

それ全部を投げ捨てて、彼女を選んでしまった。動かない冷たい彼女を!

ひどく馬鹿らしくて滑稽に見えるだろうし、実際ボクの心は、嬉しさ半分恐怖半分といった所だった。

転移魔法で移動しようかと考えたがそれではすぐに魔力を辿られてばれるので、地道に公共交通機関で移動することにした。

でも可哀想なことに彼女は死臭がするから(それが嫌な訳では無いし、それも含めて死を連想させるから愛おしいのだが今の状況には適していなかったとだけ記す)、迫っ苦しいバスやタクシーじゃすぐにバレてしまう。

だから彼女に大きな毛布を被せてくるんで、足をかくりと曲げておぶりやすいようにして、なるべく人目を避けてずっしりとした彼女を背に駅へと向かう。

貨物列車を探してひっそり乗り込んで、これなら密封されないから彼女も苦しくないと思って、それで列車が発車するまで彼女を眺めていた。

そして列車が動き出して、ずうっとがたんがたん揺られてどのくらい時間がたったか、日が傾き出したころに列車が止まったので、頃合いを見て彼女と共に降りた。

近くに人里はなく、ボロい空き家以外はだだっ広い草原が広がっており、こんな知らないところに来てしまった、ボクは悪い子だな、なんて思って嘲笑った。

長旅だったから、冷たい風に当たっていたとはいえ彼女が壊れていないか心配で、とりあえずボロ屋敷にはいって様子を見るとやや腐り初めていたから、焦って、ちゃんと持ってきていた医療器具やら薬品やらをつかって時間をかけて防腐処理をした。

そうしたらもう日が暮れていたから、今日はとりあえずうるさい腹の音を無視して彼女を抱き寄せて硬い床で眠った。

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らぱ(プロフ) - オパールさん» 🥰🥴😘 (11月12日 21時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - うっとりです❤ (11月10日 15時) (レス) @page12 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - らぱ(新)さん» やったぁ…!合ってたんだ!嬉しいです! (2022年3月1日 11時) (レス) id: 25f3be4265 (このIDを非表示/違反報告)
らぱ(新)(プロフ) - 灰色さん» わわわわわありがとうございます!!😭😭大正解でございます、エレナ究極のラブストーリーを元に本作を作成したので、たぶんあなたの解釈最も一致しております…!見つけてくれてありがとう(*´˘`*)♡ (2022年3月1日 10時) (レス) id: c719b83a52 (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - うわわわわ!こんな素晴らしい作品を見つけてしまったああ!もっと早くに読みたかった…。ネクロフィリア良いですよねぇ…。エレナ究極のラブストーリーを連想しました…。 (2022年3月1日 8時) (レス) id: 25f3be4265 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らぱ | 作成日時:2021年12月23日 23時

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