episode 113 ページ13
《亮side》
午前中空きやったから
Aちゃんのお見舞いに行った
亮「よっ」
A「亮ちゃん！！」
病室に入った瞬間は無表情で窓の外を眺めてたのに
俺が声をかけた瞬間に
笑顔になったAちゃん
A「今日は午後から？」
亮「おん」
A「今日は外めっちゃ暑いんやろなー」
気が付けば8月も半ばになろうとしてた
亮「…あ、そうそう！
俺10月からも新しいドラマ決まってん！
来週から撮影入るねん」
A「ほんま！？すごいやん！！
さすが亮ちゃんやね♪
病室のテレビからいつも今のドラマも観てるよ！
田口さんも出れるようなってよかったな♪」
栄作が亡くなったことで
ドラマの代役はKAT-TUNの田口になっとった
亮「…無理して観らんでええで？」
A「そんなっ、無理なんかしてへんよ！
亮ちゃんが出てるんやから観るのは当たり前や！」
亮「そういうことちゃうよ！
観てたら思い出すやろ？…栄作のこと」
Aちゃんは黙った
A「忘れたくないから観てるねん。
だって、えいちゃんの人生で最後のドラマやってんもん…だから、忘れたないねん」
Aちゃんは少し涙目になりながら微笑んだ
亮「…泣きたいときは我慢せんと泣いたらええ」
A「大丈夫！いつまでも悲しんでたら、えいちゃん怒るし！」
亮「そんなことない。
大丈夫じゃないときは大丈夫って言わんでええんやからな。
俺っ…んあーっ……みんなが側におるんやからなっ！！」
A「ありがと、亮ちゃん」
消えそうなAちゃんの声…
今すぐにでも抱きしめたかった
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作者名：蘭 | 作成日時：2017年9月12日 23時
