生きるレシピ (ページ10)

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ep 03...2 ページ10

《蘭side》

紫耀が言ってた錦戸の手紙のこと…。

刑務所から？

どういうこと？

ねぇ錦戸。

こんなにも知りたくなってしまうのはなぜ…？

紫耀と別れてからそんなことを考えながら
施設の門をくぐろうとしたその時＿＿＿

智「あれ？バナナの好青年？」

………え？

後ろから智くんの声が聞こえ振り返るとそこには

紫「き、貴公子様っ！！；；」

智「家、この辺なの？」

紫「いやっ…あの、えっとー…僕んちはっ…」

蘭「紫耀、なにやってんの？」

紫「…っ！！！」

蘭「私をつけてきたの？」

紫「…ごめんっ！！！
蘭がずっと嫌がってたのはわかってたんだけど、どうしても…気になっちまっ」

パチンッ＿＿＿

私は紫耀をひっぱたいた。

紫「…っ。」

智「！？」

蘭「さいってーだね。」

私はそう言い放ち、施設へと入った。

…ありえない。

ストーカーするなんて
人としてありえない！！！

智「蘭！！」

智くんに腕を掴まれた。

蘭「なに？」

智「部屋で少し話さねぇ？」

蘭「やだ…。」

智「頼むよ。」

蘭「どうして…？
どうして紫耀は私をつけたりするの？
信じてたのに…紫耀だけはっ…そんなこと絶対しないって信じてたのにっ…ぐすっ…」

純粋に悲しくなったんだ。

唯一私の幼少期を知る者として
たくさんの私を知る紫耀だからこそ

信じ切っていたの。

ギュッ＿＿＿

蘭「智…くん？」

智くんは私を優しく抱きしめた。

智「…蘭が過去の話をしたくない気持ちは俺が1番わかってる。
ここの存在を隠したい気持ちもすげぇわかる。
でもな？
大切な人こそ、知りたくなるんだ。
それが人間なんだ。
蘭が紫耀くんのことを本当に大切に思ってるなら、わかってやってくれ。」

蘭「…ん。」

すると、智くんはゆっくり離れ

智「食堂で紫耀くんに待ってもらってるから、ちゃんと話しておいで？」

蘭「うんっ！！」

私は食堂へと足を向けた。

にしても智くんの心臓の鼓動

すごい伝わってきたなぁ…。