生きるレシピ (ページ41)

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ep 12...3 ページ41

《智久side》

智「ほんとに見送りに着いていかなくて大丈夫？」

蘭「大丈夫！紫耀もいるし！」

紫「僕が空港まで責任持ってお送りします！」

智「…わかった^_^
気をつけてな？」

弱かった子が強くなったと思っていた

強いと思っていた子が
本当は誰よりも弱かった

だけど蘭はまた強くなったんだ

蘭「智くんも早くいかないと間に合わないんじゃない？」

智「ほんとだ、やっべ！」

蘭「じゃあ、いってきます^_^」

智「いってらっしゃい^_^」

2人はタクシーまで向かう。

紫「あ！蘭ちょっと先行ってて！」

紫耀くんが駆け足で俺の所まできた。

智「どした？」

紫「錦戸先生に、これ渡して貰えませんか？」

渡されたのはバラの造花。

智「…最後まで世話がやけるなぁ、ほんと。」

紫「ですね。笑」

俺は式場に向かった。

錦戸家
五十嵐家
結婚披露宴会場

と書かれたボード。

スーツの内ポケットから
何度もバラの造花をちらつかせた。

今のタイミングじゃないと思いながらも

蘭はいっちまう…

披露宴の途中、
俺は2人がお色直しのときに
亮ちゃんの控え室に入った。

亮「智、今日は…日、被ってもうてごめんな。」

智「俺はいいよ、兄妹だからいつでも会える。」

亮「まぁ、せやな！」

俺は亮ちゃんの目の前に
バラの造花をそっと置いた。

亮「え…なんでこれ、お前が…？」

智「さっき紫耀くんから、亮ちゃんに渡すように言われた。
どういう意味が込められてんのか俺にはわかんねぇ。」

亮「……っ。」

智「…蘭は羽田空港だよ。
いいのかよ！？ほんとにもう会えなくなるよ！？」

亮「俺は…俺はもう決めたんや。」

志「行きなよ！」

扉の前に五十嵐さんが立っていた。

亮「志保…あほか、今結婚式中やで？
そんなんできるわけないやろ？」

志「なにかっこつけちゃってんの？
…亮の人生は亮のものだよ？
亮が生きたように生きればいいんだよ？
生きるルールなんてレシピなんてどこにもないよ？
…だから、自分のために生きて？^_^」

亮「志保……っ。
ごめん！俺いってくる！
智ありがとう！！」

亮ちゃんは造花を持って控え室から飛び出した。

智「…五十嵐さん。
ありがとう^_^」

五十嵐さんは泣きながらも笑っていた。