生きるレシピ (ページ5)

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ep 02...恋ページ5

《蘭side》

私には絶対に知られたくない過去がある。

私の唯一幼少期時代を知る紫耀にも

絶対……。

蘭「あ、智くんおかえり！」

智「蘭もおかえり^ ^
新しいクラスどう？」

この人は山下智久(27)
私のお兄ちゃん的存在で、ここで働いてる。

す「紫耀くんとは同じクラスになれた？」

この人は施設の寮母さんですみれちゃん。

そう、私が毎日帰る家は

ここ、クリスタル児童施設。

蘭「うん、紫耀と同じクラスになった…。」

す「いつもあれだけ紫耀くんの話してるんだし、そろそろ遊びに連れてこれば？」

蘭「やだ！！
絶対にそれだけはやだ！！！」

智「…で？担任は？」

蘭「あーそれがさ新米教師。
…なんだかヘンテコな人。」

智「ふーん。
まぁ俺が通ってたときの先生なんてもういねぇか！」

蘭「智くんせっかく教員免許持ってるんだから、母校に戻ってくればいいのに！」

智「…いいんだよ、俺はここで。」

智くんは私が今通ってる高校の卒業生。
頭が良くて授業料全額免除で教育大学にも進んだ。

私がこの施設に来たときには
すでに智くんはこの施設にいて

こんなにも顔が綺麗で優しくて頭も良くてスポーツまで万能で
そんな完璧な智くんも私と一緒で血の繋がった家族がいない。

智「あ、そうだ！
はい、今日もバナナ！」

蘭「ありがとう！
…あれ？このバナナ１つ欠けてる…。」

智「あーさっき好青年にぶつかっちゃって、１つあげたんだ！」

蘭「その好青年、猿なの？(笑)」

智「ちげぇよ(笑)
…なんだか悲しそうな顔してたからさ。」

蘭「ふーん…。
男は私よくわかんなーい！
あ、バナナ貰ってくね！」

私はバナナを持って部屋に戻った。

蘭「はぁ…。」

ベッドにダイブして仰向けで天井を見上げる。

＿＿＿＿錦戸の顔が浮かぶ。

…え？どうして？

つーか、教師のくせして
タバコ吸う女子高生に注意しないって
どういう神経してんの？

……あのときの、"また"って
そういうことだったんだ。

あーもう、自分がよくわかんない！！

この感情は、

一体なに…？