生きるレシピ (ページ36)

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ep 11...弱虫ページ36

《亮side》

智「え…？
もしかして相手は五十嵐さん？」

亮「…おん。」

智「俺、てっきり五十嵐さんとはもう終わったんだと思ってたよ、前蘭のこと好きだって言ってたからさ。」

現実、そうはいかんこともある。

亮「…まぁこれでええねん！」

智「これで…いい……？」

亮「おん！」

智の表情が曇った。

智「これでいいって人生、ほんとに楽しいの？
これがいいって思う人生歩めよ？
それが亮ちゃんじゃねぇの？」

亮「…俺も変わるんや。」

智「聞いていい？」

亮「ん？」

智「五十嵐さんとなにかあったんだろ？
サラリーマンだった亮ちゃんが急に教師になったりさ、大学卒業のとき教師なんかならないってあれだけ言ってたじゃん。
俺亮ちゃんの親友何年もやってんだもん、……わかるよ？」

＿＿＿＿＿誰にも言われへんかった。

この2年間、志保のことは
全て蓋をしてた。

やけど、

亮「…あいつ、2年間刑務所入っててん。」

そろそろ人のことを

親友って言ってくれた智を

信じてみよかなって。

智「え…？どうして？」

亮「2年前＿＿＿＿＿＿」

2年前、

俺と志保は婚約した。

志保は教師で、俺はサラリーマン。

幸せの絶頂やった。

ただ1つ、ひっかかってたことがあった。

亮『俺ら結婚するんやし、そろそろ親御さんに会わしてや！』

志『まぁまぁそんなに焦んなくても^_^』

志保は親御さんに1回も会わしてくれへんってこと。

なんでかは
ようわからんかった。

でも、婚約して1週間が経った頃、
知らん電話番号から電話が入った。

亮『もしもし？』

『錦戸亮さんですか？
私、警察のものですが。』

志保が、両親を刺したから
婚約者である俺に事情聴取したいとのこと。

＿＿＿＿＿＿＿

智「…どうして五十嵐さんがそんなこと…。」

亮「あいつ、ずっと両親の介護しててん。
でも俺はそのことずっと知らんくて。
婚約したから会ってほしい人がおるって言ったら反対されて…
ずっと介護しててストレス溜まってたって面会行ったとき言うとった。
自分の幸せを邪魔されることばっかりで爆発してしまったって。」

智「そっか……。」