生きるレシピ (ページ35)

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ep 10...3 ページ35

《智久side》

3ヶ月前、俺は施設の仕事を辞めた。

すみれちゃんには
蘭に言わなくていいの？って言われたけど

蘭の顔を見ると辞めたくなくなっちまうから
って

そう言って俺は姿を消した。

亮「…なぁ、お前が教師としてうちの高校に赴任してきたんって白石のためやろ？」

図星だった。

亮「ここでの白石と、学校での白石はきっとまるでちゃう。
いじめから白石のことを守りたかったんやろ？」

智「…はは、さすが亮ちゃんだね！
大正解！笑」

亮「やっぱりな。笑」

智「蘭はね、俺にとってかけがえのない存在なんだ。
兄として、蘭をどう守れるかって考えたとき、ここに留まってちゃいけねぇなって。」

亮「ストーカーかいな！笑」

智「ちっげーよ！笑
亮ちゃんにだけ任すのが不安なだけ！笑」

亮「はぁ！？
聞き捨てならんな、それ！笑」

智「ごめんって。笑」

亮「…お前がおらんなってすぐんときのあいつ、ずっと自分を責めとった。
授業も上の空やったわ。
でもな最近白石は変わったよ。
弱みを強さにしようとしてる。
ほんでな、白石は今年俺らの母校の大学に受験すんねんで！」

智「え…？
それ、まじ！？」

嬉しかった。

蘭が人として強くなっているようで。

亮「まじまじ！
お前が姿消した3ヶ月は無駄やなかったな！」

亮ちゃんに肩をバシッと叩かれた。笑

智「…だな^_^」

そっか。

そっか、そっか。

蘭が教師か。

亮「俺もお前ら見習って変わらなあかんなー。」

智「ん？例えば？」

俺は麦茶を飲みながらそう言った。

亮「俺、年内に結婚すんねん。」