生きるレシピ (ページ24)

今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:11,273 hit

ep 07...3 ページ24

《蘭side》

え…………？

突然錦戸に抱きしめられた私は

錦戸の胸の中で固まっていた。

錦戸の腕の力が強くなる。

＿＿＿＿＿ねぇ、どうして泣いてるの？

蘭「………あんたも、泣き虫なんだね。」

亮「…っるさいわ……。」

なにが錦戸をこうもさしているの？

錦戸はどんな重い荷物を背負っているの？

数分間、抱きしめられたあと

錦戸はごめんって言って
私から離れた。

蘭「……励ましに、きてくれたんだよ、ね？」

錦戸は俯いたまま、眉間にシワを寄せる。

蘭「ありがとう…ございました^_^
おかげで、元気…でま、した！」

自分の精一杯だった。

チャイムが鳴り、私は屋上をあとにした。

まだ、

心臓がドキドキしてる。

錦戸の温もり、匂い、

まだ鼻のすぐそこに残ってる。

蘭「……っ！！！」

ふと、智くんの顔が浮かんだ。

私、すごく最低なことしてる。

すごく最低な感情を抱いてる。

だめだ…だめだよね。

学校帰り、

いつものようになんだか帰れなくて

公園のブランコに座った。

色んな気持ちが複雑に入り混ざる。

そのときだった。

亮「よっ！」

智「亮ちゃん…！！」

えっ！？

なんで2人がここに…？

私はとっさに近くの草むらに隠れた。

2人は公園のベンチに座った。

話を聞いてると、偶然会ったようで

たわいもない昔話を笑いながら話してた。

＿＿＿＿＿へぇ。

錦戸って転職して教師になったんだ。

亮「…智はさ、白石のどこを好きになったん？」

え…？

私の話…？

智「んーなんだろ。
蘭ってすっげぇ頑張り屋さんで、明るくて、前向きで、辛い経験してる割に強い子なんだ！」

亮「…強い子？」

智「そう！小さい頃はよく泣いてたけどね、最近はそんなに見なくなったよ^_^」

智くん…。

亮「へぇ。
お前あいつのこと全然わかってへんねんな。」

智「……え？」

錦戸…？

なに、言ってるの…？

亮「今まであいつのなに見てきたん？」

智「なに…って、ずっと近くでっ…」

亮「近くで見てきてそれか！？
強い子？は？どこがやねん！？！？
あいつがどんだけ弱くて繊細かお前なんもわかってへんやんけ！！！」