ep 19...6 ページ48
《忠義side》
雅ちゃんの病室を出た俺と亮ちゃんは
売店に向かった。
忠「…なんか嘘みたいやな、雅ちゃんが亮ちゃんのこと覚えてへんなんて。」
亮「うん…。でもこのまま思い出さん方がええんちゃうかなって思う。」
忠「それは違うやろ。
亮ちゃんと雅ちゃんにしかわからん思い出や過去があるんやしさ、雅ちゃんにはそれを知る権利があると思うで。」
亮「…うん。」
亮ちゃんは俯き加減でそう言った。
俺にはわからん辛さを亮ちゃんは背負ってて
いくら荷物を分け合おうって言っても
きっと亮ちゃんはそれでも1人で抱えてしまう。
売店でジュースを買ってベンチに座った。
俺は琴原さんから預かった
すばるくんの最期の言葉を亮ちゃんに伝えた。
忠「……俺さ、すばるくんがおらんなってもう大事な友達とかいらんって思っててん。」
亮「うん。」
忠「でも亮ちゃんと友達になって、なんか色々敏感になってしもて…。
すばるくんも亮ちゃんと似ててあんまり自分のこと話す人じゃなかった。
だから亡くなったときも意味わからんかったし、なんでなん？ってことしか頭に浮かばんかった。」
亮「…うん。」
忠「…同じことは繰り返したくないねん。
亮ちゃんがいなくなるのは嫌やねん。
だからなんでも話してほしいねん。
迷惑かけるのが友達やろ…？
蘭もそれは一緒やと思うねん。蘭はこれから横山くんと色々話さなあかんと思うけど、そんな蘭も俺たちで支え合っていきたい。」
亮「…うん、せやな。
俺ももう誰かを失うのは嫌や。
……ごめんな、結局心配かけるようなことして。
お前のことめっちゃ信じてるから、これからもよろしく頼むわ(笑)」
亮ちゃんは照れくさそうにそう言った。
忠「あたりまえやろー！(笑)」
俺は亮ちゃんに肩を組んで馴れ馴れしくそう言った。
亮「っんやねんっ！暑苦しい！(笑)」
忠「照れんなよー(笑)」
亮「うっざ(笑)」
強がりで照れ屋な亮ちゃん。
俺はそんな亮ちゃんと友達になれて
ほんまによかったって思ってるで？
亮「そろそろ病室戻ろか。」
忠「せやな！」
病室に戻ると、扉の前で思いつめた蘭が立ってた。
すると蘭が帰ると言い出した。
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作者名：蘭 | 作成日時：2018年3月30日 14時
