結末は、君にあげる。Ⅱ (ページ43)

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ep 19...宝物ページ43

雅「お母…さん…、お父さん…。」

雅母「そうやで、お母さんやで、わかる？」

雅は頷いた。

雅父「よかった…よかった…！！！」

医「異常はなさそうですね(^^)」

亮「ほんま…よかった…っ。
雅、なんか食いたいもんとかあるか？」

雅「………あなた、誰？」

え…？

どういうこと…？

雅母「何言ってんの？
あなたの幼馴染の亮くんやで？」

雅「…亮……くん…？」

そのあとすぐ雅は検査をした。

脳にも異常はなくて

でもなぜか俺のことだけ覚えてなくて

医「特定の物や人だけを覚えていない、一種の記憶障害だと思われます。」

亮「………俺だけが覚えられてない？」

医「そういうことです…。」

医者によると、強く想ったり考えたりすることが余計に
覚えてないこともあるらしい。

それが、俺やった…。

亮「…まぁ、無事に記憶取り戻したんっすから…。
ねっ…！おじさんもおばさんもこれで安心できるじゃないっすか…！」

雅父「…でも亮くんのこと……」

亮「俺のことなんて覚えてない方が雅にとって幸せなんやと思います。
だから消えたんやと思いますし…ほんまに色々と僕のせいですいませんでした。」

俺は深々と頭を下げ、カンファレンスルームを出た。

…よかった、これで。

これが雅のためや。

小さい頃の雅はひっこみじあんで
俺のうしろにちょこちょこ着いてくるようなやつやった。

小学生のとき、雅はクラスの女子にいじめられて
それを俺にずっと黙ってて

あんときは相手のやつらに死ぬほどキレた。

亮『雅には一生近づくな！！！
俺が一生近づかさせへん！！！
俺が雅を守ったる！！！』

亮『お前もなんでいじめられたこと黙っててん！？』

雅『…亮はいつも私の味方でいてくれる。
でもいつまでもそんなんじゃあかんねん！！
ずっと亮と一緒におれるわけじゃないもん！！』

亮『は！？お前アホか！！
お前は俺とずっと一緒におったらええねん！！』

そのあとすぐ雅は転校した。

＿＿＿雅は、俺にとっても初恋相手やったんやで。

そんなことを思い出しながら

俺は病院を出た。