ep 15...5 ページ27
《忠義side》
亮ちゃんのことやから、
亮ちゃんのことやから絶対なんか理由あるもんやと思ってた。
いや、信じてた。
こんなに信じた俺の方があかんかったん…？
なぁ亮ちゃん…。
嘘やんな…？
カフェから出た俺と蘭は宿泊先のホテルに向かった。
蘭はずっと黙ったままで、
タクシーの中では窓から外を眺めてた。
ホテルに着き、
忠「じゃあ…また明日な。」
蘭「…ねぇたっちょん。」
忠「ん…？」
蘭「これで…よかったんだよね…？
これが…っ、亮ちゃんのためなんだよね…？」
忠「蘭、お前…。」
蘭「…突き放すつもりなんてなかった。
私もたっちょんと同じで亮ちゃんのことずっと信じてた。…ううん、きっとまだ今も信じてる。
亮ちゃん…嘘つくの下手なんだもんっ…！
きっと、私たちに会いたくなかった理由が他にあるんだよね…？いつか話してくれるまで待ってた方がいいんだよね…？」
蘭は俺が思ってるより強がってた。
亮ちゃんが会いたくないってのは
ただの一時の感情じゃないってこと、
何か明確な理由があること、
忠「言ってくれるまで待つのも…親友の役目なんかもな。」
そう、俺らは自分たちのことを言い聞かせた。
蘭「また亮ちゃんに会えるよね…？」
忠「当たり前やろっ…？」
泣きそうになってる蘭の頭の上にポンと手を乗せた。
忠「蘭、強くなったな。
でも、俺の前では強い蘭でおらんくていいんやからな？」
蘭「……んっ…ありがとっ…。」
目に涙を溜めながら、その涙を頬に伝わせることなく
蘭は部屋に入って行った。
きっと、きっと大丈夫。
亮ちゃんの笑顔だけが
脳裏によぎった。
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作者名：蘭 | 作成日時：2018年3月30日 14時
