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「懐かしーな…」
「3人で並んでアイス食べたよねぇ、テレビ見ながら」
「…つか…行かなくてよかったのかよ」
「うん…
 
 あ…あといつもプレゼントもらってばっかりでしょ?
 今日は私からプレゼントがあるんだ」



箱を見て蘭は驚いた。
大きさからして、指輪が入った箱に見えたから。



「蘭ちゃんモテるから…虫除け」



箱を開けると、以前ユリに贈った指輪の男性物だった。



蘭は驚きと嬉しさで、言葉が出てこない。



「ねぇ…今日はこのまま、手繋いで寝よ?」
「はぁ?俺誕生日なんだけど」
「流石にお母さんの写真の前じゃ…」



まぁ、こんな日もありか…
蘭は生まれて初めて、お預けを喰らったのだった。




―――――――――――――――――――――――――――――



翌朝、ユリが目覚めると、
蘭は珍しく起きて、ベランダで煙草をふかしていた。



「早起きなんて珍しいね」
「寝れるかよ、こんな状況で」



カリカリする蘭を無視して、ユリは朝ごはんの支度を始めた。



「今日どうする?」
「お前は?つか、嘘ついて休んでんなら、
 外出ねぇ方がいいんじゃねぇの?」
「確かに…」
「んじゃ、俺ん家で修学旅行すりゃいいじゃん」
「…修学旅行の意味知ってる?」
「そのスーツケースそのまま持ってくりゃいいじゃん」



――――――――――――――――――――――――――



2人のマンションに行くと、
気を利かせたのだろうか、竜胆はいなかった。


スーツケースを蘭の部屋の隅に置かせてもらい、
ふと振り返ると、蘭が押し倒してくる。



「ちょ、ちょっと朝からやめてよ!
 竜ちゃんも帰ってくるかもしれないでしょ!」
「だぁめ…俺もう限界」


結局蘭のペースに乗せられ、
気づけば2人はお昼過ぎまで眠ってしまっていた。



―――――――――――――――――――――――



お昼過ぎ、小腹の空いたユリは目が覚めた。
蘭はぐっすり眠っていて、起きる気配がない。



昨日は我慢させてしまったのだし、仕方ないか…
と思い、蘭のスウェットを拝借して、ベッドを出る。



廊下に出ると、リビングから楽し気な音楽が聴こえてきた。



ボーっとしたまま、扉を開けると、
竜胆とその舎弟たちがいた。



「ね、ねぇちゃん!?いたの??」
「あぁ…昨日はうちに泊まったんだけどね、
 しばらく泊めてもらってもいい?」
「もちろんいいけど、兄ちゃんは?」
「ぐっすり寝てるよ…
 ゴメンね、お友達が来てるのに」

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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