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2回目の逮捕の時、
流石に2人は覚悟をしていたが、思いの外早く釈放された。



2人の出所を出迎えたのは、ユリではなく…
冷たい目をした警官だった。
2度とうちの娘に近づくなと言い残して去っていった。



そして家に帰ると、ユリから白紙の手紙が郵便受けに入っていた。



そのユリの父が…なぜ不起訴に口添えを…



――――――――――――――――――――――――



蘭はファイルを抱えたまま家に帰り、
一晩中考え抜いた末に、1つの可能性にたどり着いた。



ユリが父に頼んだのではないか…



ユリが去ってからの10年、
最後の良心すら捨て、竜胆と2人で反社の道を進んできた。



何人もの人を騙し、盗み、殺してきた。
欲のためだけに女を誑かし、
都合が悪くなればゴミのように捨ててきた。



2度とユリの名を出すなと竜胆には言ったものの、
本当は1日たりとも忘れたことはなかった。



反社の力を使えば探し出すことは簡単にできるだろうが、
居場所を知れば攫ってしまいたくなる。



まして、隣に他の誰かがいたら…
自分たちを忘れ、恨んでいるとしたら…



あいつを殺して自分も死のうと思った。



ただし、白紙の手紙の意味だけは分からなかった。



――――――――――――――――――――――――


蘭は更に警察の関係者を探らせた。
するとやはり、ユリの父からの口添えで不起訴処分になったのだと…



蘭はどうしてもユリの真意を確かめたくなった。

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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