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その後、3人の生活は少し変わり始めた。



兄弟は常に忙しそうで、どこかしらをケガしていた上に、
なぜかユリと外に出ることを避けるようになった。



「何かあったの?」
「前からお前が外は出たくねぇって言ってたんじゃん」
「そうだけど…」
「ねぇちゃんが一緒ならどこでもいーの!」



上手く丸め込まれたような気もするが…
兄弟と歩いているところを見られたら、
また面倒なことになるだろうと、ユリ自身も思っていた。



―――――――――――――――――――――――――――――



ユリの方は、放課後には流行りのパンケーキを食べに行ったり、
普通の高校生活も楽しんでいた。



ただ…友達の話は専ら、恋の話。
誰が好きだとか、キスしただとか、
大人びた子は初体験の話まで…



「そういえば、麻布祭り行く?」
「行く行く!こういうイベントってチャンスだよね!」
「ユリも行くでしょ?」
「う〜ん…」
「てか、ユリちゃんって、好きな人いないの?」



好きな人…と聞かれて、ふと蘭の顔が目に浮かぶ。



「あ、分かった!サトシくんだ!」
「だよね〜幼馴染と恋とか、憧れじゃん?」
「だからサトシはそんなんじゃないって…」
「えぇ〜否定するトコがあやしい!!」



友達が盛り上がる中で、ユリはふと不安になった。



いつか、蘭ちゃんと竜ちゃんが恋をしたら?



情など持ち合わせていない2人は、
きっと私のことなんてすぐに忘れてしまうのでは…
そう思うと、心がザワリとした。



――――――――――――――――――――



2人のことを考えながら歩いていると、
自然と足が彼らのマンションの方へ向かっていた。



見覚えのある、伸ばしかけのツートンヘアーが見えた気がして、
声をかけようとすると…



2人の周りを派手なギャルたちが取り囲んでいた。



ユリは、傷ついた心を悟られぬよう、そっとその場を離れた。

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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