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ユリは翌朝学校で、2人が逮捕されたらしいことを知った。



「ねぇ、灰谷くん捕まったらしいじゃん!」
「幼稚園の頃、ユリちゃんに付きまとってたよね」
「2人ともカッコよかったけど…人殺しじゃあね…」
「ユリちゃんって今も知り合いだったりするの?」



興味本位で聞いてくる野次馬たちに、ユリは辟易とした。
兎に角2人のことが気がかりで、学校は早退することにした。



すると、サトシが追いかけてきた。



「なぁユリ、お前、もういい加減にしろよ」
「なにが?」
「どうせアイツらのとこ行くんだろ?
 人殺しの味方するなんて、どうかしてるよ」
「何も知らないくせに、そんな言い方しないで!」
「知ってるよ、全部見てたから」



――――――――――――――――――――――――



サトシは少し離れた場所から、狂極と灰谷兄弟の勝負を観ていた。



先に口を開いたのは、狂極の総長だった。



「呼び出された理由は分かってんな?」



「騙される方が悪いんじゃねぇの?」



蘭の煽りに副総長が答える。
「落とし前はタイマンで付けさせてもらおうか」



ギャラリーたちが囃し立てる。
体格差もあり、兄弟の分は悪いように見えた。



「へぇ…上等」



そう言ってニヤリ、と笑った次の瞬間、
蘭は総長に飛び掛かった。



次の瞬間…
総長は沈み、その横で、竜胆が副総長に寝技をかけていた。



スイッチの入った蘭は、副総長を殴り続けた。



サトシは、震えた。
自分がきっかけを作った出来事で、人が死ぬ…



震える手で、警察を呼べば、すぐにパトカーがやってきた。



逮捕の直前、2人はその場に集まっていた不良たちの前で、宣言した。



「チームなんかいらねぇよ。
 六本木は灰谷兄弟が仕切る」

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作者名:あたそ | 作成日時:2023年3月20日 23時

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