ボイス29 ページ29
若尾さんと蘭たんについて話したかったが、断られてしまった。周りで初めて見つけた蘭たんファンだったのに…もしかして、あんまりしつこかったから嫌われた…！？
若尾さんが焼いたパンをもぐもぐと食べながら、ちらっと彼の方を見る。
「何…？」
「いやっ…なんでも…」
…まぁ、こうして泊めてもらって、一緒にご飯を食べさせてもらっているし、その可能性はあまりないかもしれないけど…。でも、これから嫌われてしまう可能性だってあるかもしれない。最近彼との距離感がおかしいし、ちょっと離れてみたほうがいいのかもなぁ。私は仲良くなると自他の境界線が曖昧になるから気をつけなければ、と自戒する。
「ごちそうさまでした…」
手を合わせてから、流し台に食器を持っていき洗う。
「あ、いいのに…藤田さん」
「いえいえ、いろいろお世話になったので」
水切りラックにしっかり整頓しながら皿を収めていくと、若尾さんがこっちを見てくる。
「なんか、藤田さん…あれみたい」
顎に手を当てて、考え込む彼。あれって、なんのこと？
「…？どれ…？」
「………新妻？」
つるっと皿を落としそうになったが、必死にキャッチした。
「ば、ばか、ほんとに…！」
流し台の前でへなへなとしゃがみこんでしまった。な、なに、新妻って！若尾さんの妻になった自分を想像してしまい、恥ずかしくなる。別に若尾さんの、と言われたわけじゃないのに。
「……も、もう…行かなきゃ、仕事…お世話になりました」
「えぇ！？いや、待って待って、まだ時間めっちゃあるし！ゆっくりしていきなって！」
照れてふらふらと職場に逃げようとすると、落ち着いてと止められる。結局、いつもの彼の出勤時間までゆっくりさせてもらうことになった。
…若尾さんと話している中でも妄想が暴走するくらいに、彼のことが好きなのだと自覚してしまった。こんなに好きだと、いっぱい彼のことを知りたくなってしまう。蘭たんのこともやっぱり話したくなってしまうし、もっと彼の深いところに踏み込みたくなる。
その気持ちに、ブレーキをかけなきゃいけない。
やっぱり距離を置こう。
嫌われないためにも……。
そっと決意をするのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
内定きまりました！ヤッター！
お気に入り100人突破ありがとうございます！これからすれ違っていく彼らを、また温かい目で見てくれると幸いです。
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メタ子(プロフ) - トゲピーさん» 返信遅くてすみません！！ありがとうございますーー！！！！！！ (2022年5月3日 23時) (
レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
トゲピー - はーー！すきーーー！天才かよーー！！！ (2022年4月3日 22時) (レス) @page45 id: 82454dfd4a (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございます！次回作頑張りたいと思います…🤗💕 (2022年2月23日 17時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - 完結お疲れさまでした！この作品の蘭たんとても好きです！次回作も気長に待ってます！ (2022年2月23日 14時) (レス) @page42 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです…！気長に待っていただけるとうれしいです〜🤗 (2022年2月23日 11時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メタ子 | 作成日時：2021年6月11日 1時
