ボイス28 若尾side ページ28
✣
「藤田さん、朝！朝で〜す！！！」
5時半くらいに起きた俺は身支度を整え、適当な朝食を作ってから寝室に入った。これぞできる男ってやつか、と1人でふざけながら藤田さんの寝ているベッドの前に立つ。まだ寝たいと言わんばかりにもぞもぞと布団が動いていた。
「起きて、ほら！」
彼女がかけていた布団を剥ぐと、何ということでしょう。俺のぬいぐるみを抱いて寝ているではないか。某番組のBGMが頭の中で流れていく。
ぬいぐるみを片づけ忘れてた…？先日のリモートワークでも会社でも自分の実況について何も知らないフリを通していたというのに、ここですべてが崩れてしまった気がしてうぉお、と声が出た。なんとかしてごまかせないか？貰いもんだとか、最近ファンになったとか。なんとかしなければ。俺の唸り声のせいで藤田さんは目を擦りながら体を起こした。
「おはよう、ございます…」
「お、おはよう、ございます…朝食、できてますんで…」
目を泳がせながら部屋を出ようとすると、服の裾を掴まれた。
「あの、若尾さん、これ…」
「な、なんですかね」
「蘭たん…のこと、知ってるんでしょ？」
ぬいぐるみを突き出すようにされ、見つめられる。
「えーっと……それ、貰いもん、で……」
「こんな4体も貰うこと、ある…？ナポリの男たち、全員揃ってるじゃない…ファンなんでしょ？なんで隠すの？」
頬を膨らませる藤田さん。かわいい、じゃなくて……このままだと関係が悪化してしまう。なんとかしなければ。
「いや、まぁその、最近ファンになったけど、わざわざそういうの堂々と言うのも恥ずかしいっていうか……」
苦し紛れにそんなことを言う。何が悲しくて自分のファンであると言わねばいけないんだ。苦笑いするしかない。
「恥ずかしくないよ！男の人のファンもいていいと思うし、私もファンだし！！ね、私若尾さんと一緒に蘭たんのお話、したい！」
興奮気味に話す彼女。しかし俺は『蘭たん』本人であり、自分で自分について話すなんてボロが出てしまいそうで怖い。
「俺は……その、ちょっと…そういうのはいいかな」
「えっ……そっ、かぁ…ごめん……」
やんわりとしたお断りを入れると、彼女はしおしおとしてしまった。そんな顔をされてしまうと胸が痛む。申し訳ない気持ちになったが、ごはんが冷めちゃうからと手を引いてリビングまで彼女を誘導した。
先程の俺の言葉が後に波乱を起こすなんて、今はまだ知る由もなかった。
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メタ子(プロフ) - トゲピーさん» 返信遅くてすみません！！ありがとうございますーー！！！！！！ (2022年5月3日 23時) (
レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
トゲピー - はーー！すきーーー！天才かよーー！！！ (2022年4月3日 22時) (レス) @page45 id: 82454dfd4a (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございます！次回作頑張りたいと思います…🤗💕 (2022年2月23日 17時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - 完結お疲れさまでした！この作品の蘭たんとても好きです！次回作も気長に待ってます！ (2022年2月23日 14時) (レス) @page42 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです…！気長に待っていただけるとうれしいです〜🤗 (2022年2月23日 11時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メタ子 | 作成日時：2021年6月11日 1時
