ボイス22 ページ22
✢
「お〜き〜て」
若尾さんの優しい声で目が覚める。あのあと、私はやっと資料作成が終わり疲れたと突っ伏してそのまま寝てしまっていたようだった。
「いつになっても降りてこないから心配したわ」
「……ごめん、ね……んむ……」
目を擦ると、うわ、眠そう〜と笑われる。
「早く帰ろう」
若尾さんは私のカバンを持って、パソコンの電源もスマートに消してくれた。寝ぼけてポヤポヤしている私の手を引いて、エレベーターに乗る若尾さん。
「なんか、赤ちゃんの世話してるみたい」
「赤ちゃんじゃ……ないし……」
そんな適当な会話をしつつ外に出ると、涼しい風が体に当たってぱっと目が覚めた。私の手は彼にぎゅっと握られており、その姿は冷静になって見てみると恋人関係のようで。
「わっ……若尾さん、えと、あの……もう、目、覚めたから手繋がなくて大丈夫だよ」
若尾さんがゆっくりこっちを向く。
「まだ藤田さんふらついてるし、せっかく繋げたからこのままにさせて」
ぼ、と顔が熱くなる。何だその物言いは、と言いたくなるが口をつぐんだ。
彼は私の家までの道を覚えてくれていたようで、私が悶々としているうちに気づいたらもう私の家に着いてしまっていた。カバンから鍵を出そうと若尾さんに了承を得て手を離す。
──そして、私は重大な忘れ物をしたことに気づいた。
「……あれ、家の鍵、ない……！」
「え゛」
寝ぼけていて忘れていたが、今日……もう日付が変わっているため昨日、昼間にキーホルダーの付替えをしていたためデスクに鍵を置きっぱなしにしていたのだった。失敗した……。
「会社に忘れちゃった、ちょっと取ってくる」
「待て待て待て、流石にこの時間帯じゃセコム発動する」
「け、けど……」
給料日前でお金もないし、ちゃんとしたホテルなんかはこの時間受付もしてるかわからない。ネットカフェとかなら泊まれるかもしれないが治安が悪そうで怖い。
「あの……さ、もしよければ、なんだけど」
若尾さんが頭をかきながら、恥ずかしそうに口を開いた。
「俺の家、泊まる？」
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メタ子(プロフ) - トゲピーさん» 返信遅くてすみません！！ありがとうございますーー！！！！！！ (2022年5月3日 23時) (
レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
トゲピー - はーー！すきーーー！天才かよーー！！！ (2022年4月3日 22時) (レス) @page45 id: 82454dfd4a (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございます！次回作頑張りたいと思います…🤗💕 (2022年2月23日 17時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - 完結お疲れさまでした！この作品の蘭たんとても好きです！次回作も気長に待ってます！ (2022年2月23日 14時) (レス) @page42 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです…！気長に待っていただけるとうれしいです〜🤗 (2022年2月23日 11時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メタ子 | 作成日時：2021年6月11日 1時
