ボイス20 ページ20
「それでね、この実況がすごく好きで」
「ほ〜〜〜ん」
リモートワークが終わって、久しぶりの出勤日。お昼休み、若尾さんに蘭たんの動画を紹介していた。彼はふーん、へぇーみたいな生返事ばかりをしてくる上、なぜか動画ではなく私に目線を向けていた。
「な、なに？動画じゃなくて私ばっか見てるじゃん……なんかついてる？」
「いや別に……」
何か隠しているのかと思って彼の顔を覗き込む。
「そっちこそ、見んなよ」
「だってなんか隠してそうで」
なんでもない、そんなことないでしょ、と押し問答が続く。蘭たんの動画はどんどん進んで終わりのBGMが流れ始めた。同僚が横を通り過ぎ、「もうそんな至近距離で話す仲になったの？お熱いね」と冷やかしてきて「ちがうから！」と突っぱね、さっと若尾さんと距離をおいた。
「若尾さんのせいでからかわれちゃった」
「は〜？俺のせいじゃないし、ていうかもっとそっち行っていい？画面見えない」
がこ、と椅子を寄せる彼。パーソナルスペースってものがないのか、と思うくらいに近い。
「近い、勘違いされちゃうでしょうが」
「俺は別に勘違いされてもいいし……」
そんな彼の発言に顔が熱くなってしまう。どういう意味なのかわからなくて、そっぽを向いてえっと、と呟いた。
「あ、の、飲み物買ってくるね」
「コーヒーまだ残ってんじゃん」
「あ、え……いやミルクティーが飲みたくなってさあはは」
「お腹タプタプになるよ」
なんで彼が私と頑なに離れようとしないのか、よく分からないし元々好きなのだから勘弁してほしい。心臓が壊れてしまいそう。
「若尾さん、もしかして私のこと好きで離れたくないの？」
にや、と笑みを浮かべてからかってみる。いつもいじめられているんだからこのくらい別にいいだろう、と思いちら、と彼の方を見た。
「だったら、どうする？」
耳を少し赤らめ彼が私に問いかけてきて、え、え、と言葉が細切れになる。
「あ、か、課長に呼ばれてるから私先行くね」
がた、と椅子から立ち上がりすっと早歩きでエレベーターに向かって逃げた。どういうつもりなの、若尾さん。からかっているだけだよね？
エレベーターに入り込んで、う〜と唸りながらうずくまった。
ぴろ、とスマホが鳴り確認してみると若尾さんからメッセージが来ていた。
蘭俺お前と一緒に帰りたいから、残業しないでよ
若尾さんの手の上で転がされているけれど、それが心地いいから、悔しくなった。
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メタ子(プロフ) - トゲピーさん» 返信遅くてすみません！！ありがとうございますーー！！！！！！ (2022年5月3日 23時) (
レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
トゲピー - はーー！すきーーー！天才かよーー！！！ (2022年4月3日 22時) (レス) @page45 id: 82454dfd4a (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございます！次回作頑張りたいと思います…🤗💕 (2022年2月23日 17時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - 完結お疲れさまでした！この作品の蘭たんとても好きです！次回作も気長に待ってます！ (2022年2月23日 14時) (レス) @page42 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです…！気長に待っていただけるとうれしいです〜🤗 (2022年2月23日 11時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メタ子 | 作成日時：2021年6月11日 1時
