ボイス19 若尾side ページ19
side.若尾
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もうリモートワークは一区切りし、今日からは出勤をしなければならない。久々に行く会社に遅れないよう早めに家を出た。爽やかな風が吹いていて、気持ちいい。基本的にインドアだが外も案外悪くないななんて思った。あの人にも会えるし、と口元が緩む。
「おはようございます」
すれ違う人にそれとなく挨拶する。正直コミュニケーションは得意ではないが外面だけでも良くしておいたほうがいいだろう、と邪なことを考えながらエレベーターに乗った。
3階です、と電子的な声がし、扉が開く。すぐ近くで誰かと話している藤田さんを見つけた。あ、おはよう……と声をかけようと踏み出したときに、話相手の顔がちらっと見えた。高身長のイケメンで、藤田さんはとても楽しそうにしていて。
話しかけようとしていた口をぎゅっとつぐんだ。あれ、何ちょっと戸惑って、悲しくなってんだ俺。仕事仲間なんだから俺以外の男とだって話をするに決まってる。でも、あの彼女の夢の一件を聞いてしまったせいで俺自身も意識してしまっているフシはあった。これはきっと、嫉妬ってヤツだった。
静かに自分の席に座り、どす黒い感情をかき消すように乱雑にパソコンのボタンを押すのだった。
✢
お昼頃になると、ぱたぱたと小さな靴音を立てて藤田さんが近づいてきた。
「お疲れ様」
「ん」
声をかけられたが、パソコンから目を離さずに適当な返事をした。
「何その態度、私一応先輩なんですが……」
ぐり、と人差し指を頬に押し付けられ、むっとしてしまう。人の気持ちも知らないで、とぽけっとした顔をつまんでやりたくなった。
「……あのさ……朝に、藤田さんと一緒に話してた男、誰？」
「えっ……先輩、だけど」
「そっか」
「なんかね、今度結婚式あげるんだって！その報告で話してたんだけどほんと幸せそうだったよ」
結婚てすごいよねぇとこちらの気も知らずに呑気に続ける藤田さん。なんだ、あのイケメンといい雰囲気とか、そういうんじゃないんだと勝手に安心した。
「……ふぅーん……あ、一緒にお昼食お」
いつの間にか心のモヤモヤは晴れていて……というか、モヤモヤがなくなった理由なんて自明の理なのだが、見てみぬふりをするように藤田さんに笑いかけた。態度がコロコロ変わる俺に不思議な顔をしつつ、彼女はそのつもりだったよとお弁当袋を掲げてみせた。
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メタ子(プロフ) - トゲピーさん» 返信遅くてすみません！！ありがとうございますーー！！！！！！ (2022年5月3日 23時) (
レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
トゲピー - はーー！すきーーー！天才かよーー！！！ (2022年4月3日 22時) (レス) @page45 id: 82454dfd4a (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございます！次回作頑張りたいと思います…🤗💕 (2022年2月23日 17時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - 完結お疲れさまでした！この作品の蘭たんとても好きです！次回作も気長に待ってます！ (2022年2月23日 14時) (レス) @page42 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです…！気長に待っていただけるとうれしいです〜🤗 (2022年2月23日 11時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メタ子 | 作成日時：2021年6月11日 1時
