ボイス16 ページ16
「……さて、本題に入ろ」
真面目な顔をしてこちらを向き、若尾さんが話し始める。飲み始めて4時間くらい経って、お水をグビグビ飲んで私の酔いが少しずつ冷めてきた頃だった。
「ほ、本題って何のことかなぁ」
あからさまに目が泳ぐ私に、彼はそういうのいいからと突っぱねる。
「で、なんでこないだはあんなに様子が変だったの？俺の顔見て赤くなったってことは俺に関係あることなんでしょ」
「う……」
まっすぐと見つめられて声が出なくなる。ドキドキして死んでしまいそう。心臓に負荷がかかりまくる。
「若尾さんが私の顔見ないでくれたら話せるかも」
「い〜や〜だ、話すときは人の目を見ろって義務教育で習ったからね、俺」
既に真っ赤になってすこし俯いている私の顔を上げるように頬に冷たくて骨ばった手を添えられる。ひゃ、と声が漏れる。
「早く教えてよ。気になって俺寝られなくなっちゃうんですけどぉ」
「ぐ……」
「そうなったら仕事に支障きたすわぁ〜、あ〜教えてくんないかなぁ〜……ねぇ？」
刺すような視線と意地悪な言葉に負けて、唸り声を出しながら「わかった」と答えるしかなかった。
「……ん〜、うわ……恥ずかしい……その、こないだ若尾さんが夢にでてきて……えっと、それで……耳元で好きだよって告白、され、て、目が覚めたの……」
「へ……へぇ」
「夢の中の若尾さんの声、ボイスチェンジャー使ってなくて……好きな実況者さんと同じ声で、言われて……そこからなんか、妙に意識するようになっちゃった……」
汗がすごく出ていて、今にも湯気がでそうになるくらい顔が熱いのがわかった。
「ま〜それはウブというかなんというか……」
「め、免疫ないし誰でもそんな夢見たら意識するでしょ〜が！」
「……てことは、今も俺のこと意識しちゃってんだ？」
そんなことを言われるものだから、私は回る椅子をフル活用し若尾さんと逆方向を向いて無視をキメた。
「その反応は肯定として捉えちゃうけど、いいの？」
「……」
恥ずかしいことを散々言わされさめざめとして言葉が出ない私の頭にぽん、と彼が手のひらを乗せてくる。
「……ごめんて、恥ずかしいこと言わせて……ん〜、まぁ俺が何か嫌なことしたとかじゃなくてよかったわ」
若尾さんの声が上ずってるのに違和感を覚えて振り向くと、手で口元を隠しながら耳を赤くしていた。熱を帯びた私たち二人は、どちらが言い出したのか、風に当たろうと居酒屋から抜け出したのだった。
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メタ子(プロフ) - トゲピーさん» 返信遅くてすみません！！ありがとうございますーー！！！！！！ (2022年5月3日 23時) (
レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
トゲピー - はーー！すきーーー！天才かよーー！！！ (2022年4月3日 22時) (レス) @page45 id: 82454dfd4a (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございます！次回作頑張りたいと思います…🤗💕 (2022年2月23日 17時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - 完結お疲れさまでした！この作品の蘭たんとても好きです！次回作も気長に待ってます！ (2022年2月23日 14時) (レス) @page42 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです…！気長に待っていただけるとうれしいです〜🤗 (2022年2月23日 11時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メタ子 | 作成日時：2021年6月11日 1時
