炎に愛された少女 (ページ2)

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Episode１ページ2

2007年11月

「はぁ…はぁ…」

もう、何日たっただろうか。
朦朧とした意識の中で、考える。
確か、3日…いや4日前か…
どおりで体が動かないわけだ…。

ご飯は水以外何も口にしていないけれど、おなかがすいたという感覚はもう無い。
足が前に動かない。視界もあまり良くない。口の中が血の味がする…。

歩いても歩いても、前に進まない。
私は、死ぬのだろうか…

もう、いいや。ここで死んでも、誰も、何も変わらないのだから。

あぁ、でも、知りたかったな…

あの答えを。

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多々良視点

「寒くなってきたなぁ」
肩をすくめながら草薙さんが言う。

僕らはストレイン集団のアジトからの帰りだった。

「もう11月だからね。キングは平気？？」
僕は隣にいるキングに聞いてみた。
「…別に」
特に興味なさそうにキングは答えた。
もう、相変わらずだなぁと思いながら、前を見る。

「ん？」
なんか前にフラフラな女の子がいる。

「十束？どうした？…ありゃなんだ。えらい足取り悪いなぁ。」
草薙さんも前の方にいる人に気づいたようだった。

女の子はこっちに向かってくる。
大丈夫かなぁ。そう思っていたら、すれ違う間際にフラっとバランスを崩して、僕の肩に当たった。

「大丈夫？」
僕はそう聞いた。
「あ…すみません…」
女の子はそう言った後、そのまま倒れた。