まるで双子のようにーAfterStoryー ページ17
健太郎｢藍。マネージャーのピアノは聴けたの？｣
藍｢あっ、はい。Aさんめっちゃ上手かったですよ！｣
夕食の会場で健太郎さんが藍に声を掛けてる。
関田｢えー。聴きたかった。なに弾いてくれたの？｣
藍｢えっとですね……｣
Aが演奏した曲を挙げていくと、二人は｢すげー！俺も聴きたかった！｣とAのピアノの腕前に驚いてる。
藍｢Aさんのピアノ、俺が独り占めしちゃいました。あ！でも……｣
そこまで言って、藍は不意に俺のほうを向いた。
え？なに？
藍｢でも、Aさんの心は小川さんが独占してますけどね！｣
関田｢え？トモが？｣
健太郎｢幼なじみとは聞いてたけど、まさか……｣
なんか、嫌な予感……。
｢お疲れさまでーす！｣
健太郎｢あ、マネージャー！いいところに！｣
｢え？どうかしました？｣
最悪だ……。
Aもタイミングがいいというか悪いというべきか。
健太郎｢マネージャーって、トモとどういう関係なの？｣
関田｢幼なじみってだけじゃないでしょ？｣
健太郎｢マネージャーの心はトモが独占してる、って藍が言ってたから｣
そこんとこ、ハッキリ聞かせてよ。と先輩二人がAに詰め寄る。
ここは、俺が男を見せるべきだよな。
小川｢あの！俺から、いいですか｣
関田｢おー。なんだ？｣
小川｢あのですね、俺とA、付き合ってるんで。そういうことなんで、誰もAに手出さないでくださいね｣
言った。
言ってやった。
健太郎さんや関さん以外のみんなにも聞こえるように言ったから、周りからは｢うぉー！｣とか言いながらニヤニヤする顔がチラホラ見える。
関田｢手出すも何も、俺ら結婚してるし｣
健太郎｢それに二人が付き合うことになったのも知ってるしな｣
小川｢は？……え？どゆことっすか？｣
健太郎｢素直じゃなくてごめん、いじわるでごめん｣
小川｢わー！なんで?!え、まさか見てた……?!｣
藍｢すんません、小川さん。二人が気になって、部屋に戻ったフリして隠れて見てました｣
ごめんなさい、と可愛く謝られたけどそんなの効果あんのは女子だけだっつうの！
｢あはは(笑)智大めっちゃ顔赤いよ｣
小川｢Aはなんでそんな冷静なんだよ｣
｢だって、藍から聞かされてたもん。『後で小川さん呼ぶんで、腹割って話してください』って。藍のことだから覗き見してそうだなって思ってた｣
くそー。
何も知らなかったのは俺だけかよ。
藍、明日覚えてろよ。
ーFinー
10年先も、あなたと《石川祐希》→←まるで双子のようにー１０ー
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作者名：めー | 作成日時：2023年10月28日 12時
