short story my zone 5 (ページ3)

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3 ビボムページ3

冷え込むようになってきた秋の終わり、冬の始まりの朝。

今日はキチンと手入れされた公園で、メンバーたちがスーツ姿での撮影。

メイクも着替えも終わって、彼らは足元まであるダウンを羽織って待機してる。

あぁ、ほんとにかっこいい。
誰よりも絵になる。

「こらぁ！A！手が止まってる！」

「わっ、すみません！」

私の上司、今日のカメラマンのジュウクさんから怒鳴られる。
その声に、談笑していたメンバーたちがこっちを見たのが分かった。

ドキッと高鳴る胸

『ハハッ、また叱られてる』
『ヌナはおっちょこちょいだ』
「なんですってー！」

でもそんなものはすぐに飛んでった。
いつもジェヒョとパッキョンのコンビにはからかわれる。そして私も追いかけ回す。

「A！！」

「...すみませぇん」

結局また叱られてしまって、あっかんべーをする。

そしたらピオの隣で、コーヒーを飲みながら立っていたミニョクが笑った。

ちょっと困ったように眉をさげて笑う笑顔に、目が釘付けになっちゃって。

そんな私を見たピオが、

『ヌナー』

なんて言いながら手を振ってる事にも気がつかない。

ぱちっと目があったミニョクが、顎で何か合図する。
ハッとなると、感じるジュウクさんの痛い視線。

名残惜しい気持ちに蓋をして、あちこち歩き回って撮影の準備を済ませる。

少しずつ日はのぼりはじめるけど、まだ寒さは残る。

ジコとジュウクさんの打ち合わせが始まって、かじかむ手に息を吹きかける。

「さむ」

なんて独り言言いながらズズッと鼻水をすいこむ。

『ほら』

大好きな声がして、ふわっと包まれる暖かい感覚。

顔をあげるとそこにはミニョク。

「えっ？」

私の体にかけられてるのはミニョクのダウン。

「だめだめ！ミニョクが風邪ひいちゃう！」

慌ててそれを肩から外そうとすると、ミニョクの手と手が重なり合う。

『俺は大丈夫だから』

なんて言いながらしっかり肩にかけてくれて。
頭をポンポンってされた。

かぁっと顔に血が集まっていくのを感じて。

「でっ、でもやっぱりダメ！主役に風邪なんて引かせたら...！」

ミニョクの顔を見上げたら。

ぐぐっと顔が近づいてきて。

ドキドキドキ

それだけで爆発しそうな私の心臓。

私の目を真っ直ぐ見つめるミニョク。

そしたら

「A！撮影始めるぞ！」

ジュウクさんの声が響き渡って。

「もう！」

そっちをみて怒る私をみてミニョクがまた笑った。