百花繚乱～ありのままの自分で～《文化祭編 5》 (ページ10)

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文化祭一日目 35 ページ10

～結凪side～

着替えてレッスン室に入ると、胡桃たちがもう先に来て柔軟をしていた。

『胡桃たち先に来てたんだ、言ってくれればいいのに』

胡「2人のラブラブを邪魔したくなかったの」

『ふーん。あっ、今日のリハ声出しできないけどごめんね。明日パフォーマンスする前に枯らしたくないから』

胡「わかった。一応私も、結凪の歌割り練習しておくね」

『ありがとう。さて、私も柔軟しますか』

私は胡桃たちと話を終えると、ケータイで音楽を聴きながら柔軟を始めた。

15分くらいそうして柔軟をしていると、先生がやってきた。

愛「はい、じゃあリハ始めるよ」

全員「よろしくお願いします」

愛「はい。じゃあ1度通しでやってみようか。みんな、ポジションついて」

先生からそう言われて、私たちはそれぞれのポジションについた。

明日のために、今自分が出来ることを精一杯やろう

私は目を閉じると、そう言い聞かせた。
私たちがポジションについて準備が出来たことを確認すると、長谷川先生が音楽をかけてくれた。

私は、明日陽稀がステージを見てくれる姿を思い浮かべながらステップを踏んだ。

大人っぽく、だけどどこか自分たちらしく。陽稀に『大好きだよ』って伝えられるように……

1曲踊り終えると、私たちは先生の元に集まって話を聞いた。

愛「この前からブランクがあったけど、ちゃんとパフォーマンス出来てたね。結凪、今日はどうして歌わないの？」

『えっと……今日、オープニングが終わってからちょっと色々あって今喉が痛くて、明日ちゃんとパフォーマンスできるように今日は歌わないでやろうと思いました』

愛「……そう、まぁその判断は正しいわね。胡桃、結凪が明日歌えなくなった時のために、結凪の分の歌割り練習しといて」

胡「はい」

愛「じゃあ、1回振り確認して、その後また通しでやるよ。はい、時間ないからさっさと動く！」

長谷川先生はそう言って手を叩き、私たちを並べてレッスンを始めた。

ちゃんと踊れていたとは言っても、細かい部分はまだまだ。だから、今こうしてレッスンを受けて細かい部分を修正できてよかった。

ダンダンッ、ダダダンッ……

部屋中にダンスシューズの音を響かせながら、鏡に映る自分と対話しながら、私はステップを踏んだ。