百花繚乱～ありのままの自分で～《文化祭編 5》 (ページ8)

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文化祭一日目 34 ページ8

～陽稀side～

ゲームセンターで過ごす時間は、本当にあっという間だった。

『あっ、そろそろ行かなきゃ』

陽「そっか。送ってくよ」

『いいよ、そんなの……』

陽「俺が送っていきたいの」

と俺が言ったら、結凪はしぶしぶ俺の申し出を受け入れた。

ゲームセンターを出て、俺たちは電車に揺られて結凪の通っているスクールに向かった。

普段なら、俺がいても結凪は音楽を聴いているのに今日はしなかった。この後リハがあるというのに。

陽「音楽、聞いていかなくていいのか……？」

『うん。柔軟中に聴くからいい』

結凪……そっか、でも俺がいるからしないって言うのならぜんぜん気にしなくていいかなら。

俺はそう思いながら、結凪と会話を続けた。

結凪が通っているスクールまでは、本当にあっという間だった。

俺たちが白い建物の前に着くと、結凪が立ち止まった。

『ここまででいいよ、送ってくれてありがとう』

陽「いえいえ。頑張れよ。明日の野外ステージ、楽しみにしてる」

『うん！みんなに楽しんでもらえるようなステージにするから、楽しみにしてて』

結凪はそう言って、建物のなかに入っていった。

結凪、頑張れ。応援してるから……

建物の中に入っていく結凪を見つめながら、俺は心の中でそう呟いた。