百花繚乱～ありのままの自分で～《文化祭編 5》 (ページ3)

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文化祭一日目 29 ページ3

～結凪side～

目が覚めたら、知らない場所にいた。

不安だったけど、側には陽稀がいてくれた。

陽「目が覚めたか？」

『うん。ここは？保健室……？』

陽「そうだよ。何かいるものある？買ってくるけど」

『アイス食べたい。うちのクラスで売ってるやつ。あと、飲み物欲しいな。喉によさそうなやつ』

陽「わかった。じゃあ少し待ってな、買ってくるから」

陽稀はそう言って保健室を出ていってしまった。

行っちゃった……

1人になった保健室はとても静かで、胸が切なさでいっぱいになった。

陽稀、早く戻ってきて……

私は、陽稀が早く戻ってきてくれることを願いながらもうベッドに横たわった。

陽稀のこと、傷つけたくなかったのに傷つけちゃった。あの事は言いたくなかったのに、言っちゃった……

胸が苦しくなって、雫が頬を伝った。

『陽稀ごめんね、ごめんなさい……』

私は泣きながら、ボソリとそう呟いた。