百花繚乱～ありのままの自分で～《文化祭編 5》 (ページ13)

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文化祭一日目 38 ページ13

～陽稀side～

部屋でゴロゴロしていたら、結凪から電話がかかってきた。

陽「もしもし、どうしたんだ？」

『陽稀……よかった、出てくれて。ちょっと声聴きたくなって……』

陽「そっか」

『陽稀と別れた後、リハやったんだ。でもその時、私喉枯らしたくなくて歌わなかったの。まだ音取りも出来てないのに。その判断が、正しかったのかなぁって思って……ううっ、ううっ…….』

涙が溢れて止まらなくなった。

陽「結凪ー、泣いたら明日歌えなくなるかもよー」

『陽稀……』

陽「大丈夫だよ、お前の判断は正しかった。だって、明日歌えなくなるのが嫌だったんだろ？」

『うん……』

陽『だろ、だったら正しい判断だったよ。先生とかはなんて言ったんだ？』

『正しい判断だって』

陽「そっか。なら正しいんだよ。自信持て」

『陽稀……ありがとう、明日頑張るね！』

陽「頑張れ、応援してる」

俺はそう言って、電話を切った。

結凪、お前の判断は正しかったよ。誰かがお前のこと悪く言っても、俺はお前の味方だよ。だから、安心していいんだよ……

黒い画面を見つめながら、俺は心の中でそう言った。