44 パッキョン ページ44
電話は続く。
『あっ、待って!マネージャーヒョンが迎えに行くって言ってるから、そこにそのままいて。キョンに代わってくれるかな?』
マネージャーヒョン?
この人たちはスポーツ選手なのかな?
キョンさんがうなずきながら話して、電話を切る。
不安そうな顔をしていたのか、
『ダイジョーブ!』
笑顔でそう言ってくれる。
キョンさんの笑顔は素敵だなって不謹慎ながらも思ってしまった。
「カムサハムニダ」
『チョットマッテヨウネ〜』
そう言ってまたベンチに座る。
座れるようにスペースを空けてくれたから、隣に座る。
「キョンさん、わたしAと言います。日本から来ました。ほんとにありがとうございます」
改めてお礼を。
『イインダヨ〜!仕事デ日本ニイクケド、1人ナラマヨッチャウ!』
『韓国デ、イイ旅ヲシテネ』
「はい!ありがとうございます!」
そんな出会いをしたのが3年前。
いくつもの夜を越えて、俺とAは恋人になった。
あの時の出会いのおかげだねって話してる。
よくよく聞いたら俺がアイドルだって全く知らなかったとか。恥ずかしがり屋なところとか。
そして通訳してくれたユグォンには、初めて会った時ひたすら頭を下げてた(笑)
遠距離な期間も短くはなかったけど、今ではAもハングルをちゃんと覚えた。俺も上達した。はず。そしてお互いのことを理解してる。はず。
ただ今夜の俺は荒れている。
『どこ行ってたんだよ!』
帰ってきたAを問い詰める。
『他の男のとこか?あ?男のとこ行くなって言ってあったよな?』
「どこも行ってないよ。仕事。なに怒ってるの?」
呆れたように見つめ合う。
『ゆぐのとこ行ってたんだ?』
『あの時、優しく電話してくれたもんな』
お手上げ、という風になにも言わずにリビングへ。
「キョン」
『やっぱり俺に愛想つきたんだ』
「キョン!」
ほっぺをペチンと叩かれる。
「お風呂一緒に入ろ?」
上目遣いでそう言われると、わざとだってわかってるのに
「入る〜♪」
なんて浮かれてしまう俺はバカだ。
初めてあった時から綺麗な日本人だって思った。
不安と緊張で顔を強張らせていたけど、我慢しきれずら泣いてしまう姿や笑顔にくらっときてしまった。
抱きしめてやりたいと思ったけど、韓国の男が紳士だって教えてやりたくて我慢した。
夕日に照らされてすごくキレイだった。
今も目の前でわざとらしく笑うAはあの時のまま、キレイだ。
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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時