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43 パッキョン ページ43

初めての海外旅行。
初めての一人旅。
初めての韓国!
アンニョンハセヨ!ソウル!

空港から市街中心部へ。
なんとか辿り着いたのはいいけど、どうしたってホテルまでが全くわからない。

道行く人に話しかけようにも勇気がでない。
あの人に、あの人に、あの人に、
そう思いながらキャリーを引っ張って歩いていると、いつの間にか周りは公園や川、大きな橋。
観光地じゃないみたい。
頭の中はパニック。
落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ。

日が傾き始めて、オレンジの太陽がまぶしい。

川のそばの公園のベンチに腰掛ける。

もうほんとに、恥ずかしいとか言ってらんない。
誰かに聞かないとほんとに私ここで野宿だ。

周りを見渡すとジョギングしてる夫婦や、犬を散歩させてる人。なんだまだ人はいっぱいいる。
よし。
一番近くに座っていた若い男の人に声をかけよう。
小柄だし襲われることはなさそうだし。

「あの〜、すいません」

反応なし。よく見たらイヤホンをしてる。
肩を軽く叩いてみる。
パッと顔をあげる男の人。

「すいません。道を知りたいです」

目も鼻も大きくて金髪で、かなり華奢。
可愛い人だな、って思った。

『ん?』

「ここ、行きたいです」

地図を広げてホテルを指差す。

『あ〜!』

そう言って笑って、身振り手振りで説明してくれてるんだけど、わからないの。すいません。わかりません。

わかる?って感じでこっちを見てくれてるけど、

「ごめんなさい」
顔の前で手をあわせると、少し考える顔。
あぁ、困らせてるんだ。どうしよう。

『チョットマッテ』

『ニホンゴ、チョットダケシカデキナイカラ。マッテ』

そう言って携帯を取り出して電話してる。
こっちを見ながら韓国語で何か話してる。
そして私に携帯を差し出してくれる。

「えっ?」
受け取りながらもとまどう。
『ア〜、ボクノトモダチニホンゴジョウジュダカラ』
「ありがとうございます」
頭をさげて電話に話す。

「もしもし?」
『お〜!コンニチハ!マイゴ?迷子だって聞きました。ダイジョウブ?』
「はい。大丈夫です」
言葉が通じることに安心して、緊張の糸が緩み泣けてきてしまう。
目の前の男の人が、頭をポンポンっとしてくれる。
優しくてまた泣けてくる。

『泣かないで〜!ホテルが僕たちのマンションと近いから送っていくって、キョンが言ってるから一緒にね。一緒に』
「えっ?!う〜ありがとうございます』
目の前のキョンさんを見ると、親指を立てて笑ってくれてる。

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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

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