22 ピオ ページ22
『もう来てたんだな』
『あぁ』
『Aちゃんと？』
『うん』
『照れんなよ！』
ミノは俺と幼い時からずっと一緒で、やりたいことも同じ。同じステージに立てる日がくるまで努力をやめない。諦めない。
『今日は19時からだぞ』
『あぁ、分かってる』
『ジコもくるよ』
『やった』
『Aちゃん連れてこいよ』
『いやだ』
『なんで』
『他の人に見せたくない』
ミノの口がポカンと開く。
『は？』
『俺の目が届かないところにいて欲しくない』
ミノの顔があわれみを帯びてる。あと笑いを。
『今も目届いてんの？』
『届いてる』
『どこがだよ！』
『いつでも見つけれる』
『お前本気なんだねー』
肩をポンっと掴まれる。
『かっこいいピオくんをみてもらえばいいのに』
『まだいい』
俺が音楽をやっているのは秘密。
ミノとラッパーとして色んなイベントに出させてもらってる。
ファンもちょっとずつ出来てるみたいだけど、俺に夢中になってほしいのは1人だけ。
まぁ、なんにも気づいてなさそうだけど。
『じゃあいくわ』
ミノはそう言って授業に出るわけでもなさそうに歩いて行った。
「ねー！あそこにいるのジフン君じゃない？」
となりの席のレイが私の肩をつつく。
「あ、ほんとだ」
窓の外をチラッとのぞくと確かにジフン。
「なにしてるんだろ」
「この時間いつもあそこにいるよね」
「えっ？そうなの？」
レイが私をみてにやっと笑う。
「やっぱり気づいてなかったんだ」
「誰かさんのためでしょ」
「ちょっと、なにそれ」
「授業がないのに朝早くから来てるんだよ。そしていつもあそこに座ってる。ここがよく見える場所で。答えは出てるようなもの」
「？」
「やだ、なにそれ本気？」
「なによー」
「ジフン君、苦労するはずだわ」
「あっ、ミノもいるよ」
「えっ？！どこどこ？！」
レイは大のミノファン。
甘いマスクに低音の声がしびれる、らしい。
「あー、やっぱりかっこいい」
「そうかな？」
「ジフン君よりよっぽどね！」
「ジフン？それは確かにー」
クスクス声を出して笑う。
レイはがっくり肩を落としてる。なんで？
「いいのー？ジフン君て人気あるよ」
「そうなの？」
「背も高いし優しいし声も低いし。何より可愛いしね」
「でもイジワルだよ？」
「それはAにだけ」
「ひどい！」
「ひどいのはあんただと思うけど」
レイも笑ってる。
「あ！あのね、今日友達とライブハウスにいくつもりが断られちゃって。A一緒にいってくれない？」
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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (
レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました！更新まってます！ (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2016年8月17日 0時
