検索窓
今日:22 hit、昨日:6 hit、合計:42,336 hit

17 ビボム ページ17

「え...」

『いつもため息ついてる。悲しそうな顔してる。すごく楽しそうに笑う顔をみて、Aのことが気になったんだ』

「ミニョクさん...」

『俺のことそんな風に考えたことなかったかもしれないけど、これから考えてほしい』

立ち止まって見つめられる。
その瞳がすごく真剣で思わず心を動かされる。

「私、最近彼を怒らせてばかりで...。だからよく泣いてしまって。辛いとかそんなんじゃないんです。心配してくださってすいません」

『それが...!』

ミニョクさんは顔を歪める。
そして抱きしめられる。

「えっ、ミニョクさん?!」

『やっぱり見てられない。そんな奴に渡せない』

「ミニョクさんっ」

腕を振りほどく。

『焦ってしまってごめん。でも手の届かないところに行ってしまいそうだから』

「いつも優しくて気にかけてくださって感謝してるんです。ミニョクさんといたら心が落ち着くし。休まります」

『だったら、俺のところにきてよ』

「でも私」

ブロロロ
大きな車の音がして2人して顔をあげる。

「!なんで...」

会社の前で止まったその車から彼が降りてくる。

微笑みをたたえて手を振りながらこっちへくる。

「ゆぐ...どうして」

『たまには迎えにきたんだよ?だめだった?』

そう言って肩に腕を回す。頬に顔をあてる。

「ううん。だめじゃないよ。びっくりしただけ」

『もう帰れるの?何してたの?』

にっこり笑ってミニョクさんを見つめる。

「あっ、私の会社のミニョクさん。駅まで送ってくださるって言ってくれて」

ミニョクさんの表情が厳しい気がする。

『それは、ありがとうございます』

『キム・ユグォンです』

ミニョクさんは手を出してくれてるけどゆぐは気づいていないふりをしている。

「ユグォン!」

あぁ、と言って握手。

『もう家に帰ろう。早く2人になりたい』

「あ、ミニョクさん、お疲れ様でした!ありがとうございました」

『お疲れ様。さっきの事考えといてね』

「えっ、はい。失礼します」

ゆぐに腕を引かれて歩き初めていたので振り返りながら挨拶。


『俺はずっと待ってるから!』

車に乗り込む直前、ミニョクさんが声をあげる。

ゆぐの動きが止まる。顔から微笑みが消える。


『へー。そうなんだ』

「ゆぐ?」



バタン

彼の表情をみてゾッとする。
閉まるドアの音がいつもより響いて聞こえた。

18 テイル→←16 ビボム



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.8/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
設定タグ:blockb , Block.B , block.b   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。