5 パッキョン ページ5
「もしキョンだったらただじゃすまさない」
「はーい」
リビングにジホを残してドアを開ける。
途端に広がる花の甘い香り。
目の前が赤い。
え？なにこれ？
『キョンちゃんでーす！』
「キョン？」
確かにそこにいたのはキョンだった。
でもなぜか両手いっぱい、こぼれ落ちそうなほどの花束を抱えてる。赤い花、それはバラ。
花びらが何枚かヒラヒラ舞っている。
呆気に取られて言いたいことが山ほどあったのに言葉にならない。
「なにやってんの？なにこれ...？」
『おせーよ』
リビングからジホが出てくる。
「そっ、そう！遅すぎる！なにしてたのよ！」
『いやー、頼んでたとこじゃバラが足らなくて。やっぱこういうのはインパクトがないとさ。何件か回ってた、悪い』
『ほんとにバラだよ！やべえ！』
男二人なぜか笑い転げてる。なんで？笑う所？
「キョン！質問に答えてよ！」
その時、ジホと笑ってたキョンの大きな目がふいに真面目になった。
『俺ここにいていいわけ？』
『うん。そこにいて』
ジホは何かを噛み締めて我慢してるみたいな変な顔してる。
キョンが一つ大きな咳払い。
『俺、Aが好き。俺のそばにいてほしい』
そう言って私にその大きな花束を差し出す。
「えっ？なに？ドッキリ？」
だってそうとしか考えられない。
キョンが私を？
今まで何十年と一緒にいたけどそんなこと
『Aが鈍いだけ』
『俺はずっとAを見てたよ』
『これからもAのこと側で守らせてよ』
私の憧れるあの優しい眼差しで私を見てる。
私が眩しくて仕方なかったあの笑顔。
その目で私を見てくれていた。本当に？
これからも見てくれるの？
言葉にならなくて。
花束を受け取ったら、キョンがハグしてきて。
バラみたいに顔を赤くするしかなかった。
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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (
レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました！更新まってます！ (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2016年8月17日 0時
