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33 ピオ ページ33

仕事も終わりヒョンたちと別れて、今日は最近契約したマンションへ向かう。

カムバック、コンサート、取材。
ありがたいけど流石に疲れがたまる。
明日は待ちに待ったオフだ。

ガチャン

必要数以上に付けてもらった鍵を解錠して部屋に入る。

真っ暗な部屋と続く廊下。

『ふー』

この暗闇が落ち着くなんて心が荒んでる証拠だな。
ふっ、と笑いがこぼれる。

リビングにはカーテンさえ付けていない。
寝室にベッドが1つ。
あとはソファーが1つだけ置いてあるだけ。
そこに腰を下ろす。

廊下の明かりがリビングをほの暗く照らす。
窓の外は真っ暗で室内が反射している。
見下ろせばソウルの街並みが輝いているんだろうけど、そんなものを見るためにここにいるんじゃない。

疲れた。

目を閉じて横になる。
時間は真夜中。物音1つしない。
静まり返った空間。それが心地よくて眠りに引っ張られる。


どれ位の時間がたったのだろう。
暗闇の空が少しだけ白み始めている。
あぁ。寝てしまっていたのか。
まだぼーっとする頭がまだ眠っていたいと俺を誘う。

カチャ
ガチャン

その時玄関のドアが解錠される音が響く。
靴を脱ぐ音がして足音が真っ直ぐここへ向かう。

「ジフン」

甘い香りが部屋に広がる。
それといつもの知ってる香りが鼻をかすめる。
物音とその香りで頭が冴える。
会いたかった顔がそこにあるのに。
俺がここに来ると必ず来てくれるのに。

俺はソファに横になったまま目を開ける。

『ヒョンの香りがする』

そう言って俺に跨るAの腰を掴んで引き寄せる。

「私とジホはいつも一緒だから」

そう言って顔の先で嬉しそうに笑うから、噛み付くようにキスをする。

「んっ。ジフンっ」

キスをしながら起き上がって膝の上に座らせる。

『じゃあなんで来たの』

首筋にも噛み付く。

「会いたかったでしょ?」

『別に』

「嘘。会いたかったってここが言ってる」

そう言って俺の胸を指差す。

『ヒョンと別れろよ』

「いや。だってジホの事愛してるから」

『最低』

「大好きなヒョンの大好きな女が大好きなのは誰?」

クスクス
そう言って俺の上で笑うから。
早く俺のものにしたくてたまらなくなる。

『俺はこんなにも好きなのに』

Aを押し倒して足をなでながら言う。

「私もジフンが好きよ」
「ジフンの声が聞きたかった」


そう言いながら俺のシャツのボタンを外すから。
潤ませた目で見つめてくるから。


俺はこの沼から抜け出せそうにないんだ。

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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました!更新まってます! (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らん | 作成日時:2016年8月17日 0時

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