28 テイル ページ28
「テーイールー」
『わぁ！ヌナじゃん！びっくりしたー』
今日は休日。1人で買い物中。
いつもの洋服屋でいると後ろから声をかけられた。
Aヌナ。俺の大切な人。
ヌナはなにも知らないけど。
「珍しいね。今日は休みなの？」
『そう。久しぶりのねー。ヌナも？』
「うん。休みだったから新しいの入れてきたの」
そう言って髪をかきあげ、首筋を露わにさせる。
ヌナの香水の香りがふわっと広がった。
「小さいけどねー」
見てみると赤くなった首。
『いいね。俺も入れよ』
「だめだよー。テイルはタトゥーだらけじゃん』
「また増やしたでしょ」
そう言って腕を持ってジロジロみてる。
触られてる腕が熱い。
『最初はヌナの真似だったのにね』
「そうだよー。テイルに負けちゃった』
そう。俺がタトゥーを入れだしたのはヌナに会ったことがきっかけ。
細い腕から見える鮮やかなタトゥーに、すごく憧れた。風でなびくヌナのシャツが少しめくれてみえた脇腹の"KISS"という文字。
鮮やかな色彩。
そしてヌナも俺に負けず劣らず童顔で。
年上にも見えないし、ましてやタトゥーが入ってるなんて全然思えない。
でも女性で一般人だからタトゥーがあることに対して世間は冷たいみたいだ。
何着か服をみて買い物をする。
ヌナも店の中をぶらぶら歩いてる。
「あっ、テイルもう帰るの？」
『うん。ちょっと寄るところもあるから』
「そっかー。またね」
そう言って手を振って別れる。
マスクをつけて車に乗り込む。
駐車場から出た所でヌナとすれ違う。
運転席の窓をあけて少し身を乗り出す。
『ねー、ヌナも一緒に来てくれる？』
「どこにー？」
『まだ内緒』
そう言って笑う。
「いくー」
助手席のドアをあけて、ヌナが乗り込むのを待つ。
ドアを閉めて車を動かす。
「どこいくのー？ついて行っていいのー？」
『うん。俺も新しいの入れたくなったから』
「またー？会社に怒られない？」
『怒られない』
「あの子には？リーダーの」
『ジコ？』
「そうそう」
『あいつも俺くらい入ってる』
「へー」
「見てみたいな」
ヌナはただ、タトゥーがみたいだけだって分かってるのになんとなくイラっとしてしまう。
『ヌナには俺の見せてあげるよ』
「赤ちゃんテイルの？」
『赤ちゃんて言わないでよー』
2人して笑う。
「新しいのどこにいれるの？」
『首』
『ヌナのタトゥーがあるところには俺も入れたいから』
「なんで？」
『なんでだろうねー』
首を傾げてるヌナが可愛かった。
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らん(プロフ) - すーんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。中々思うように出来ませんがまた見てください。ありがとうございます (2016年8月20日 1時) (
レス) id: be474ec87e (このIDを非表示/違反報告)
すーん(プロフ) - ハマりました！更新まってます！ (2016年8月20日 0時) (レス) id: dc57f5d664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2016年8月17日 0時
