私／俺のこと、覚えていますか？【イナダン】

＃１０ 少年 ページ12

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霧野 side



巨大な物体から放たれた光は、真っ直ぐグラウンドに落ちてきた。



衝撃で、粉塵が巻き上がる。



立っていられず、地面に膝をついた。



「うっ………」



粉塵が収まって、見てみると、１人の少年が立っていた。



せっかくの試合なのに、試合どころじゃない。



「俺も入れてくれないかな……サッカー」



少年はぼそりと言った。



すると、いつのまにか少年の足元にサッカーボールが。



驚いた次の瞬間には、凄まじい衝撃波が起きていた。



砂煙が吹き上がってから、爆音がついてくるくらい、速かった。



「円堂さん！」



天馬の声が聞こえ、見てみると、地面に倒れている、監督の姿が。



恐らく、今のボールが命中したのだろう。



誰なんだ、あいつは…！



みんなが警戒し、距離を取りながら包囲し始めた。



「お前は誰だ！！」



神童が代表したように言った。



「消えるお前たちに答える必要はない」



だが、少年は嘲るように返した。



そして、ボールを軽く放り上げる。



「まずい………！」



掠れてはいたが、監督の声が聞こえた。



少年は宙に浮いたボールに手をかざし、気を送っている。



そんな中、錦と天馬が少年に向かって突進していく。



「天馬！分かっとるな！」



「はい！錦先輩！」



２人は化身を出現、天馬はアームドさせた。



わかった。



少年が打とうとしているのはシュート。



ならば、俺たちが止めなければいけない。



それは、狩屋、黄名子も同じだったらしい。



「止めるぞ！狩屋、黄名子！」



少年は、さらにオーラを膨らませていく。



「遅い」



そう言うと、自身がシュートのように、突進してきた。



雪村と太陽も、左右からスライディングをしかける。



７対１。だが、少年の力は圧倒的だった。



俺たちは、軽々と吹き飛ばされてしまった。


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