【文スト】中二病、名探偵に気に入られたってよ

弍拾参 ページ29

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「ふむ、中々に美味だな」


そう云い食べ始めて、時間が経った頃、皿の上のお菓子がなくなり、別のを取りに行こうと立ち上がる




すると、チリン、という音がして、Aの懐から何かが落ちた



然しAはお菓子に目が行き、其の落ちた物に気付かない



太宰「あれ？Aちゃん、之落ちたよ」

「む？...嗚呼、すまない」



太宰が落とした物に気付き、手渡す


太宰「それ、綺麗だよね。ロケットペンダント、だったかな？」



「うむ、記憶の永遠不変を形取る物だ...」



太宰「......写真？...私見てみたいなぁ〜」


とても期待に満ちた顔でAを見る



「......之に、我ともう一人、写りし者がいる...その者を認知しているのならば、情報を頂こう......然しそうでなければ、猛襲する」


太宰「何それリスク高い」



んー、と呻き声を上げながら考える太宰
暫くして好奇心が勝ったらしく


太宰「よし、見る！仮令殺されそうになっても私は喜んで死にに行くよ！｣


「......そうか、では勝手にしろ」



お前はそういう奴だったと云いたげな顔でペンダントを太宰に放り投げる



太宰「わーい、パカッとな」


笑顔でペンダントを開けた太宰の目が一瞬で見開かれた



太宰「ねぇ、Aちゃん、之って...」



「......認知している様だな。...その者は我の過去の同胞でな...此奴と共に居ると、当にカオス理論、予想もしない事を口走り、行動する...。...実に退屈しない日々だった」


少しため息を吐きながら目を閉じる



太宰「...そうだね。私も予想出来なかったよ…でも之と云って私の知っている情報は少ない。カレー好きで予知能力者、って事くらいかな。後変な奴」


眉を下げ切なそうに笑う





「...うむ、実に謎が多い......。織田作之助という男は」

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