【文スト】中二病、名探偵に気に入られたってよ

拾陸 ページ17

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乱歩と太宰がそんな話をしている時、Aは公園に来ていた



子供達がキャッキャと騒ぐ中、Aはベンチに座り亦本を開き読み始めた


少し経つと、子供の泣き声が聞こえた



気になって顔を上げると母親らしき人は話に夢中になって泣いている事に気付いていない様だ


Aは本を閉じ、泣いている子供の元へ行った



「お前は何故、水の精ハルワタートが創りし水を目から流す？」


そう云うと、子供は少し吃驚したが、亦直ぐ泣き出し

「おにごっこしてたらころんだの」
と云った



「傷は？」


「ここ、すごくいたいの」



膝を指差し、怪我をしている所を見ると、余計泣き出す


「...自ら其の足で立てるか？」


と聞くと、子供は首を振った



「......仕方が無い」


そう呟くと子供を抱え、水道に連れて、片方の膝を地面に着き、片方の膝の上に子供を乗せる




「...少しばかり傷に響くが耐えろ」


少し濡らしたハンカチを傷に中てる



少し痛そうにするが我慢をする子供



ポケットを探ってみたが、生憎絆創膏等という物は無かった


こういう時に、女子力、という物が必要なのかと思いながらため息を吐く



仕方なく傷に中てていたハンカチを巻く



「...之を巻いておけ......居城に戻りし時には然と聖母なる者に癒して貰え」



そう云って子供を立たせると、


「うん！ありがとうお姉ちゃん！」

と、満面の笑みで云われた



Aは其れに少々むず痒くなり乍も、そろそろ戻ろうと公園を去った

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