四十七羽 ページ47
前に来たあの山の洞窟に連れていかれ、四肢を縛りつけられ、本体を鞘から抜かれた。
「あれ？この前彫ったのが消えてる？
連結の時に埋まったのか…今日は違う方法で彫ってみようか」
と言って自分の霊力を込めながらタガネを何の躊躇なく打ち当てた。
何度も何度も、タガネを打ち、痛みの感覚がより深くなっていった。
痛みに脂汗をかき、動かない体を硬直させ、息も止まる痛みに無言を貫いた。
「今日は泣いても止めないからね。ほら、起きて」
痛みに気絶してもわざわざ水をかけて起こされるし、前とは違って最後まで彫るつもりのようだ。
何刻経ったのか分からないが「やーっと完成したよー。これで君は僕のモノ」という鈴城の声に目を覚まし、見せつけられた刀身。
この痛みも、刀身に彫られた紋様もその周りの文字も、すべてが夢であればよかったと思った。
むしろ夢であれと願った。
「自分のモノには名前を書かないとね。
さぁ、顕現された体にはどうなってるのか検査の時間だよ」
人の身であることを恨んだ。
特に、人の女の成りをしていることに。
鈴城は一方的に自分の欲をぶつけ、行為が終わると部屋を出た。
途中で縄を切られ、言霊の術も解かれたが、神気が安定しなかった所為で体が動かせなく、無抵抗に受け入れるしかできなかった。
神としての尊厳を奪われた気がした。
そして人間の霊気を注がれすぎて気温の低さに体温を奪われるのが分かる。
首だけを動かして、部屋にある姿見に少し映る自分の姿は何処か現実味を感じない。
涙の熱さが床に溶けていく。
胸の奥からこみ上げてくる怒り、悲しみ。
そして体が拒絶反応を示した。
「うっ…ぇっ…ごほっごほっ！」
何も食べてないために口からは咳に交じって胃液しか出ない。
本丸に帰るほどの力が出ない。
しかし、このままでは寒さに耐えられないため、這って散らかった着物をかき集め、羽織った。
カチカチと鳴る歯が止まない。
震える手で刀身を持つと彫られた紋様を触る。
あぁ、夢であってほしかった。
ゴツゴツと凹凸を感じ、鏡に映る自分に彫られたものと同じものがあり、現実であると悟った。
「あれ？もう起きてたの？
ちょうどいいや。お客様の相手もしてね」
恨めしいその声に振り替えると、そこには前にも会った太った中年の男。
「これはこれは…楽しめそうだ」
「壊さないでくださいね」
そう言って衣服を崩して近づく男二人に私の抵抗は意味のない物だった。
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静原レン(プロフ) - そこの本丸の審神者二人ともいいですかねぇ？やっちゃってぇ？ (2018年5月14日 18時) (
レス) id: 055681bc4f (このIDを非表示/違反報告)
お鶴 - 続きが気になる！ (2017年9月30日 22時) (レス) id: 0c420347ac (このIDを非表示/違反報告)
匡(プロフ) - 早く鶴さんと幸せになって欲しい(´･ω･`) (2017年9月30日 22時) (レス) id: 883bce3052 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください！(*^-^*) (2017年9月30日 19時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
かめ☆ピス(プロフ) - 姫鶴ちゃん、頑張って！！きっと大丈夫ですよね！続きにとっても期待してます！頑張ってください！鈴城め！恨んでやるー！(`´) (2017年8月14日 21時) (レス) id: 7fd7f882ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭兎 | 作成日時：2017年2月23日 2時
